SR一連の議論を通じて

 

TAKA  2005年 1月14日

 

 

□「寒流」まちある記(埼玉高速鉄道編)を読んで

 私にない見方だったので非常に勉強になりました。元々 122号線は時々通る道なので、こういうと語弊もあるのですが、川口・鳩ヶ谷というと「開けていないちょっと田舎な街」と言う漠然としたイメージがありましたが、今回和寒様の「まちある記」を読んで、強い印象を受けました。

 確かに鉄道が開通するのはその地域に取り百年に一回の革命的変革です。しかし鉄道だけ引くのでは何も変わらない、地域まで総合的に開発して初めて鉄道を引いた事での地域の改善に役に立つと言うのは仰られるとおりだと思います。

 しかし公共事業体・第三セクターが鉄道を引く場合、ニュータウン線・常磐新線を別にして、鉄道単独の事業になり、街までの総合的な改善は中々手をつけられないというのは往々にしてある事例です。それがその鉄道の足を引っ張ると言う埼玉高速の様な事例もあります。

 その点すぐ東急を事例に引いてしまいますが、動機は“多角的開発による収益の極大化”ですが、鉄道を軸にして街も総合的に開発して行くという、今まで民鉄の行ってきた開発・新線建設の手法も、結果的に地域を開発するには捨てたものではないのだなとは感じました。

 それにしてもそれなりに市街地化が進んでいたというネックはあるにしても川口市や鳩ヶ谷市はもう少し埼玉高速選手線沿線の開発に力を入れなかったのでしょうか? それこそ都心直結になるのですから、もっと魅力的な住環境の街に変身させて住民の流入を促進させる事はできたと思うのですが……。何故それに気付いて地域開発をしなかったのでしょうか? 地域を活性化する最大の機会だったのに残念です。

 

 

□運転本数の削減について

 和寒様の意見、私も理解できます。輸送力の調整点を鳩ヶ谷にするというのも考えました。運転的には折り返し線のある鳩ヶ谷折返しが車庫線に引き上げての王子神谷折返しや本線上での赤羽岩淵折返しより、常道であるのは明らかです。

 しかし今や川口南部〜鳩ヶ谷の住民は「どうしても埼玉高速線を利用するのが便利」という、極めて逸走し辛いコアな客層以外は京浜東北線に流れてしまっているのではないか?と感じています。それであれば減便しても問題は無いのではないかと思い、運転上は困難度の高い王子神谷・赤羽岩淵折返しを考えました。

 確かに鳩ヶ谷まで現状の運行本数を維持してサービスを落とさないで競合客を逃がさないのも戦術です。今の段階での乗客減は確かに痛いです。しかしそれだけでは足りない。なにか「川口市・鳩ヶ谷市内の 122号線のラインで客をSRに引き込む策」があって初めて今の本数を維持して耐える意義が出ると思います。しかしその策がどうもいまひとつなものしか浮かばないのです。それであるのなら原価低減の策を考える方が良いというのが私の考えです。基本的にはメトロ線内で本数を半減させても「本数減による逸走客の減収≦本数減による原価低減」になるだろうとは考えています。

 だからこそSR線の手前の営団線内で半数折り返してもらおうと言うかなり過激な方策を提案しました。本当なら10分毎位は欲しいですが、「メトロ線内が 6分毎」「メトロは等間隔ダイヤに拘る」「時間調整は競争上マイナス」という条件から半数減12分毎という過激な提案になりました(少なくとも駒込の手前で時間調整のある10分毎ダイヤより時間調整の無い12分毎ダイヤのほうが競争力はあると考えます)。但し、東京メトロに対しては、メトロ線内の王子神谷折返しや赤羽岩淵折返しより鳩ヶ谷折返しのほうが受け入れさせやすいと思います。

 

 

□SR経営改善の次の一手は東京メトロにある。

 私は具体的な方策として”減量ダイヤ”を提案しましたが、此れはある意味あのガラガラ電車を見れば誰でも考える話です(私は半減を言ったので"過激"としましたが……)。実際SRも 7月の“改革プラン”で「効率的ダイヤに改正」といっています。この基本的方向性は特に昼間・夜間に関しては動く方向ではないと思います。あとは私と和寒様の間で差が出た様な各論の問題だと思います。

 しかし問題は総論は良いとして、行う場合の“減量ダイヤへの東京メトロの対応”です。東京メトロは“減量ダイヤ”を受け入れてくれるのでしょうか? 和寒様御指摘の“送り込み運用”の存在や、その反対の“送り出し運用”(浦和美園車庫への入庫運用)が存在しているでしょう。これは東京メトロの車庫事情から起因する問題です。東京メトロの事情に起因する不要な営業運転をしていればその分SRが払う車両使用料・電気代等々不要な費用が東京メトロの事情で発生している筈ですし、それが車両滞泊の対価にプラスして払われているとは思えません。そのような状況で東京メトロの車両使用料収入(相殺しているにしても、出て行く分が減るということはその分車両が遊ぶ事になる)が減ることを容認するでしょうか? そう考えると東京メトロの協力を得る事は困難かともいます。

 東京メトロは「筆頭株主でなく、過半の株を公共セクターが持つ以上支配的権限を行使できない」という理由で、関連会社としていません。それを上手く利用してか、前にも述べたようにSRから搾取しているとしか思えません。

 “減量ダイヤ改正”にしても“メトロからSRへの正当な対価の支払”にしても、SRの経営改善には必要なことですが、それには東京メトロの協力が必要です。対立するにしても協調するにしてもSRの経営健全化の一助として、SRからの乗客の送り込みでメリットを受けている東京メトロに、整備新幹線問題で話題の「根元受益」ではありませんが、協力してもらうのが必要でしょう。SRが転ぶ事は東京メトロにとっても好ましくないのですから。東京メトロが「関連会社でない」という以上、常識に則った関係にすべきですし東京メトロはその義務があるでしょう。

 

 

□今は「経営部会最終提言」が出るのを見守るべきだったかも

 日経スペシャル「ガイアの夜明け」でのSRの放送を奇禍としてSRの経営問題を取り上げましたが、少しフライングだったかもしれません。確かにテレビ放送はこのような問題を取り上げる奇禍にはなりえます。しかし同時に埼玉県が主体となり埼玉高速鉄道検討委員会が開かれており、私も上記委員会の経営部会中間提言は読んだうえ参考にして書込みをしましたが、議論している最中でしたから最終提言が出てから議論すべきだったかもしれません。

 ましてや最終提言の骨子が出てきている時期ですし、最終提言ではダイヤに関しても千鳥式運転に関する提言が追加されていたりしています。確かに千鳥式運転は朝ラッシュ時に関しては、90%程度の利用効率が有る以上減便も難しいですから、利便性向上、コスト低減(停止・発車の回数が減れば動力費が減る)にも意味があると思います。  この様にSR検討委員会の提言には、普通の役所の提言より具体的かつ専門的な内容が多いので、その最終提言を見ずに議論を始めたのはフライングだったような気がしてきました。  という訳で、私は今回はSRの経営問題に関しては“中締め”にしたいと思います。現状では“杉野改革”は道半ばの状況ですし、この改革が成功すれば周囲の公的セクターの運営に影響を与える可能性も有ります。それと同時にSR検討委員会も未だ中途である現状では、未だ「先に何が出てくるか分からない」状況です。なので今回は“中締め”にして、私はSR経営問題に関しての今後の推移を見つめていきたいと思っています。

 

 

 

 

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