スクールバスの壁



とも  2005年12月16日





 昨今の子供を狙った犯罪の増加に伴い、私のサイトへの検索ワードで「スクールバス」が増えている。私のサイトではスクールバスを特別取り上げているわけではないが、コミュニティバスに絡んでのものを見に来ているようで、なんとも期待を裏切っているなと感じている。

 私自身はスクールバスには肯定的な考え方を持っているが、否定意見には「費用」といった視点もあるようで、なんとも難しいところだ。現実的にはスクールバスはかなり費用がかかる。バスの導入費用、運転手の雇用……負担は大きい。自治体が二の足を踏むのも理解できる。

 そこで解決策を考えてみたい。たとえば、長野県の川上村など事例が既にあるが、スクールバスをそのまま運行するのではなく様々な多目的なものとするのだ。

 まず、バスを多目的利用してみよう。スクールバス用のバスをコミュニティバスや一般路線バスと共用にするのだ。スクールバスというのは日中や夜間はお休みの存在。これを空いた時間は通常のローカルバスや福祉バスとして運行する。お年寄りや車が使えない方にはうれしい存在になるし、バスの有効利用にもつながる。公共交通プアの解消とスクールバス、一石二鳥だ。カナダではスクールバスを観光シーズンに貸し切りバスとして利用している例もある。遊ばせなければそれだけ費用を軽くできる。

 また、路線バスにスクールバス機能を持たせるというのもある。路線バスやコミュニティバスの特定便をスクールバスとして活用するのだ。すでに一部地域では事実上そうなっている例も多いし、通学用バスというものもあるが、そういった路線をイレギュラーで設定することでかなりの負担軽減にはなる。バス会社に教育委員会が補填すれば路線バスの維持・安定にもつながる。コミュニティバスには地元の方々が集う空間という役割がある。そういった機能のあるコミュニティバスならば十分にスクールバスの代替は可能だろう。

 しかし、これらには大きな大きな壁がある。それは「縦割り行政」。コミュニティバスは国土交通省、スクールバスは文部科学省。補助金が別なのだ。文部科学省補助のスクールバスを路線バスなど他用途で用いることは出来ない。コミュニティバスを使っての無償輸送はできないし、路線免許などハードルが高い。まず、これらの統合や整理が第一かも知れない。あるいはスクールバスの合間運用を認めれば、様々な補助制度の複合が認められれば税の支出を抑えられ自治体の負担は飛躍的に軽くなる。妙な壁がスクールバスの実現の足枷では話にならないのだ。

  スクールバス写真は米軍関係の子供達を運ぶスクールバス:沖縄県嘉手納





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