適切な給与水準とは





 エル・アルコン 2007年7月15日




やや横レス気味ですが少々。

「公務員の給与水準」と「民間の給与水準」を比較し、民間が安すぎるというのは最早疑うべくも無い事実でしょう。
しかし、「公務員の給与水準」が果たして絶対的に見て高いのか、そして「常識外れ」なのか、と言うとこれは一概に言えないわけです。
もちろん共働き(夫婦ともに公務員=正社員というケース)がしやすく、世帯収入という意味ではさらに格差が開くケースが多いとはいえ、全部が全部共働きをしているわけではないです。

先に給与水準が適正かどうかを測る材料として、「客観的な基準で、世代相応に衣食住の支出から子女の育成、進学などを考慮した標準的な「標準賃金モデル」をまず提示した上で、分不相応な賃金であるかどうか」と書きましたが、そうした標準的な家庭を営むと言う意味で、子女の教育に注目して見ましょう。

義務教育は中学までとはいえ、現在高等学校への進学率は全国で98%弱。大学への進学率も45%程度。短大や高専を含めると53%程度です。そうした状況で、所得収入で子女の高校、大学進学を賄うことが根本的に無理と言う収入しか得られないと言うことが「正常」なのかどうかという判断になるでしょう。

では子女の進学にいくらくらいの費用がかかるのか。
これはピンキリですが、一つの目安として、旧日本育英会、今は日本学生支援機構や自治体が実施している奨学金制度があります。

成績や利息の有無により基準が変わりますが、標準的な貸与資金の所得制限を見ると、親子4人の標準的家庭といえるケースでの数字は実に興味深いです。
日本学生支援機構による奨学金は大学に特化しましたが、この予約採用(入学前に奨学金貸与を決定)を見ると、無利息で916万円、有利息で1254万円がボーダーラインです。
また、高校生を対象とした自治体の奨学金を見ると、兵庫県が680万円、大阪府が公立782万円、私立1100万円、東京都と千葉県が790万円、埼玉県が900万円となっています。
(主たる生計者の給与所得)

他にも条件があるとはいえ、表向きの収入条件を見ると、「年収1000万円」であっても子女の進学には足りず、奨学金を貸与する対象になるという認識なのです。
そうした「基準」を見たとき、もちろん求められる仕事をきちんとしているのか、という勤務評定も同時に必須ではあるとはいえ、絶対値としての給与水準の設定として、「その職務・職種でその金額は高すぎる」と言えるのかどうか。

もしそうだと言い切れるのであれば、給与所得だけでは子女の進学費用にも事欠く、と言う人生設計となる仕事を「公」が募集することの是非を問うべき問題になります。
だからこそ奨学金がある、とはいえ、奨学金を貰うほうがあたりまえ、という状況になってしまうことが正常なのかどうか。これも問題点となるわけです。
(ただしこの問題は、近年国公立大学や公立高校の学費を急激に学費が上昇させた文教政策の責任も大きいが...)

もちろんはるかに下回る収入でも子女を大学まで出してやるような立派なご家庭が多いのは充分承知していますが、その努力を軽減する方向、つまりより収入が増加するとか、支援が増すように働くようにするのではなく、他人の収入も連れ安にすると言う理論はやはり成り立たないでしょう。











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