どの属性を求めるかによる



エル・アルコン  2005年 6月10日





 ナンバープレートに求め得るセキュリティの効果というのは、クルマの所有者という属性を示す意味でのIDの分かりやすさを追求するところまででしょう。クルマの地域的属性という意味でのIDとして、セキュリティとしての用途に耐え得るまでにするのであれば、住民票(車庫証明)の異動の都度ナンバープレートの切り替えを義務化して違反者には罰則ということまでする必要があります。

 現状は切り替えをする建前ではありますが、実際には旧ナンバーのまま旧登録地で自動車諸税を納付することが事実上認められているわけですし、切り替えを義務化したとして、それが「ご当地ナンバー」のように細分化されていては、ユーザー側の手続が煩瑣に過ぎることはもちろん、陸運支局の実務が追い付かなくなるか、もしくは住民登録レベルの処理を要求することになるという問題があります。

 また、現状の地域区分であっても、日常的な利用範囲であっけなくナンバープレートの地域区分を跨ぐことが多々あります。例えば千葉市花見川区や美浜区(千葉ナンバー)の住民が八千代台(八千代市=習志野ナンバー)や津田沼(習志野市=習志野ナンバー)を生活圏とするのはごく当たり前であり、こうした混在が「ご当地ナンバー」による細分化でさらに進むわけです。

 そして各地方の拠点都市の場合は周辺各地域からの流動が集まりますし、今回の申請には仙台や金沢というような地域拠点都市も含まれているので、ナンバープレートから地域属性を読み取る意味というのはあまり無いかと思われます。

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 米国やカナダでそれが可能なのは、それが「州」単位というところが大きいです。州の区分が広いという以上に、州が変われば法律すら異なる「異国」ですから、通常の生活レベルにおける州境をまたぐということは、我が国の都道府県境をまたぐのとは比較にならないわけです。

 このあたりはどちらかというとEUにおける「国籍表示」の部分とパラレルであり、そのデザインを統一したのがEUで、国(州)単位に任せたのが米国と言うことが出来ます。そういうことを踏まえますと、結局は都道府県単位程度の単純化された区分に戻すのが妥当ではと考えます。

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 余談ですが、私も付けている「習志野」ナンバーは、陸運事務所開設の際に、船橋市習志野町(現在の習志野台)の地名というより、事務所が位置する一帯(船橋、習志野、八千代、千葉の4市にまたがるエリア)が「習志野原」だったことから当時の運輸省が命名したそうです。

 その意味では、「湘南」「なにわ」あたりのご当地ナンバーの走りともいうわけで、ご当地ナンバーを批判しづらい立場ではあります(苦笑)。





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