「一般則」が通用し得ない世界

 

エル・アルコン  2004年11月15日

 

 

 千葉モノレールについての評価は非常に難しいです。もっとも、「評価」する点がほとんど無いという事の裏返しですが。

 

●懸垂式採用について

 「Buy the Chiba」ということなんでしょうが、当時の千葉市内の事情を考えると、「軌道系交通の導入」を絶対の目標とした場合、懸垂式モノレールの採用は理解できます。

 まず、ルート上の道路がモノレールとの同時整備でようやく4車線になったレベルでは、LRTなど路面を走るものは話になりません。次いで、時期的には旬と言うか流行のAGT、そして跨座式モノレールですが、中央分離帯に一本足を立てて、という構造が難しいわけです。門型の橋脚で支えれば可能ですが、もう一点、軌道の下側に橋桁が走る跨座式やAGTの場合、沿線にものすごい圧迫感を与えることになります。

 ただ、だから懸垂式で正解というわけではなく、軌道系交通の導入自体が疑問符だったといわざるを得ないところに、千葉モノレールの悲しさがあるのです。

 

●ルートの拙さ

 放射と環状を組み合わせた当初プランはそれなりに合理性があったのですが、それを現行ルートのように継ぎ接ぎしても意味が無いということです。

 1113でTAKAさんから指摘されている通り、あらゆる輸送パターンにおいて迂回しているわけで、これでは使えません。千城台から千葉まで24分と言うのはあの迂回ルートを考えると早いのですが、心理的にはどうか。京成バスは時刻表では27分ですから、まあ30〜40分でしょうか。穴川を迂回するという心理面での効果があるので、せめて圧倒的な所要時間差が欲しいんですが、これではダメです。

 

●県庁前ルートの絶望

 大網街道や末広街道方面からのバスをまさか県庁前で止めてモノレールに乗り換えさせるわけにもいかないでしょう。もしそんな事態になったら、JR乗り継ぎ客は本千葉駅まで歩くでしょうし、京成乗り継ぎ客や千葉市の繁華街利用客は歩くでしょう。かつて本千葉駅の本数が 1時間に1〜2本だった頃、この区間を通学で使ってましたが、歩いてもバスと10分と変わらないのでは、徒歩に負けているとも言える区間です。

 バリアフリーにしても、駅と一体になっている歩道橋を通ってバス停に向かわれてしまっているのでは、根が深いです。

 県庁前から千葉駅にかけてのバスのフリークェンシーは、市内各地域からのバスがこの区間を通らざるを得ないと言う結果に過ぎません。言い方を変えれば、各地域への路線展開の副次的産物として確保できたフリークェンシーであり、いわばこの区間だけを取って見れば元手がかかってないのです。にもかかわらず、そこに互換性もなにも無いモノレールを引くこと自体に問題があるといわざるを得ません。

 ルートにしても、千葉駅での接着の問題があるとはいえ、地盤沈下著しいかつての中心街である栄町地区のために栄町を「迂回」し、導入空間を葭川上空に求めたのは工期工数との関係でしょうが、中央2丁目あたりや京成駅あたりの「中心街」(とは言えないくらい空洞化が進んでいるが)のどちらからも距離を残す結果になるなど、これでは千葉市の都市景観を彩る小道具にしかなりません。

 

●将来を展望したいが……

 県庁前区間の「廃止」が公式の議論の場で有力な選択肢に上がってしまうような現状であり、モノレール事業からの撤退を望む市民の声が出ると言う有り様です。それに加えて、無ければ困るとは必ずしも言えない路線ですから、これでは匙を投げたくなります。

 これまでの議論で示された施策も、一般的な競合においては有効ですが、千葉モノレールに関しては、モノレールに肩入れする意義も何もあったものじゃないのです。

 もしさらなる展開をするのであれば、さんざん検討されている県庁前から先などは、京成千原線との並行路線であり、さらに進むと既存の千城台と近くなってしまい、食い合うだけであるからもってのほかであり、例えば穴川から稲毛、さらに稲毛海岸へというような、実際の流動に即し、かつ軌道系交通のメリットである「大量」「定時性」を活かせる区間を考えるべきです。

 

 

 

 

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