捕獲の話し

魚や水生生物を飼育するには,手元にそれらを持ってこなくてはなりません.最も手っ取り早いのは,ペットショップで,お金を出し入て捕獲する方法です(爆).これが,多くの人々がやっておられる方法ですね.種類によっては,ペットショップでなくても,お金を出して買えることが在ります.淡水魚水槽の掃除をしてくれるスジエビやモエビなどは,釣り具屋さんで購入するほうがよほど効率よく低価格で入手出来ます.サザエ,車えび,カニ,あさりやシジミなどは,鮮魚店やスーパーでも購入出来ます.それぞれ家にもって帰るまで,よほどのへまをしない限り大丈夫でしょう.などとざれ言はさておき本題に入りましょう.

捕獲法

 網や釣り,あるいは手掴みが一般的だと思います.
  網では,魚体と網の目のサイズを十分考慮して,魚体をいためないようしましょう.網の中で暴れると,ぼろぼろになって弱ってしまいます.さっとすくって,容器に移しましょう.
  釣では,なるべくダメージが少なくなるようにしましょう.針を飲ませてしまったり,釣り上げたとき既に出血しているようでは,水槽生活で長生きは望めません.リリースするかおなかの中に入れましょう.あまり長いことやり取りしても,体力の消耗が著しく,移動途中で死んでしまいます.釣り上げたときに地面に叩きつけないように,タモや網ですくってあげたほうよいでしょうね.釣りの基本は、十分えさを飲ませてから釣り上げますが、水槽用の魚にこれをやるとまず長生きしません。魚種にもよりますが、捕獲にはかなり熟練が必要です。唇にきっちり針がかりをさせなければなりません。小さめの針は、小魚にはもってこいなのですが、飲まれやすくなります。通常よりも1から2段大きめの針がよいと思います。そして、チョッと早合わせ気味に釣り上げることを薦めます。浮き釣りでしたら感度のよい、1Bでやるほうがよいでしょう。投げ釣りでしたら、置き竿をせづにちゃんと引きずりながらあたりを取ってあわせてあげましょう。
  手掴みでは,魚と人間の両方に危険がありますから,きおつけましょう.うっかり,危ない魚を触って,病院行では洒落になりません.やはり,小さめの網ですくう事を薦めます.ちょっと考えて頂きたいのは人間は,36℃前後あり,多くの魚は海水温に近い状態にあるということです.つまり,人間が魚を素手でつかむ行為は,我々が50℃前後のものでつかまれていることに等しいということです.網や釣りの時も,魚を容器に移す場合は,極力素手で触るのは止めましょう.

温度

 温度に対する適応性は,タイドプールの生き物,淡水魚,汽水域の魚,海水魚(上物),海水魚(底物),海水魚(回遊魚)の順にさがっていくようです.いずれにしても,急激な温度低下や温度上昇は避けなければなりません.温度上昇は,魚の活性と溶存酸素量に重大な影響をおよぼします.つまり,水温が上昇するとそれだけ,魚の活性があがり,酸素を消費してしまいます.その結果,酸欠で死んでしまうこととなtります.従って,直射日光のあたる真夏の日中や締め切った車の中は極めて危険です.温度が下げられそうもないのなら,こまめに海水を換えてあげましょう.
 一方,冬場は,うっかりする極端な温度低下が起こります.寒風吹きすさぶ冬の海では,気温1℃,海水温15℃なんて事よくあると思います.この時,海水に手をつけた瞬間は少し暖かいのですが,寒風によって体感温度がさがります.そのため海水温と外気温が同じような錯覚に陥ります.しかしながら,それは本当に錯覚です.寒い冬,釣り上げた魚をバケツに入れ,エアレーションを施すと水温は一気に低下し,裸で冷蔵庫行の状態が再現されてしまいます.冬場の捕獲では,長時間屋外に放置しないか保温材入りの入れ物に捕獲した生物を入れる事が大事です.一度,冷凍状態になった魚は,脳に障害が出るようで温度が回復してもまともに泳げず,数日のうちに死んでしまいます.よくテレビでやっている寒中水泳は,海の場合はむしろ外気よりも暖かいはずです.一方,プールはほぼ外気と等しくなりますから,たまったもんじゃないでしょう.

酸素
基本的には,エアレーション(1000円程度で十分役に立つものが売っている)は欠かせません.特に,夏場は,酸素が不足気味になります.エアレーションを2倍あるいは3倍行なってあげてください.また,死んだ魚を一緒に入れておくとやはり酸素は消費されてしまうようです(バクテリアがすばやく繁殖し、海水中の酸素を消費します).採集中は,こまめに水を換えてあげてください.冬場は,上に書いたように,比較的活性が低いので酸素消費量はさほど気になりません.むしろ,水温が魚の生死を分けますからきおつけましょう.

アンモニア対策
温度や酸素などと密接に関係するのが、この海水中のアンモニア量です。数々の失敗からアンモニアに対する注意を怠ると魚は長生きできないことがわかりました。これは、日々の水槽管理だけでなく、捕獲時にもシビアーであることがわかりました。釣り上げられた魚の多くは、バケツに入っているときに脱糞をします。それが、一匹や二匹だけでなく、多くなってくるとバケツの海水は徐々に汚水と化していきます。この排泄物により、バケツ内のアンモニア濃度が急激に増加します。耐性の弱い魚は、一発で星になってしまいます。今までも何度となくやってしまいました。そのようなことがないように、私は以下のことを最近は心がけています。
1:釣り上げた魚を一時的に入れておくバケツ(脱糞用バケツ)を運搬用と別に用意する。
2:脱糞用バケツは、こまめに水替えをする。
3:一時用のバケツにも十分エアレーションをする。
4:死んだ魚が出たら、即座に別の容器に移す。
5:採集終了時に、新し運搬用容器の海水を新しいものと取り替えて出発する。

運搬容器

釣れた瞬間は,どの魚も極度の緊張状態になります.そのため,無駄に暴れたり脱糞したりとかなり大変です.この状態は,さかなが大きくなるにつれて落ち着きを取り戻すまでの時間がかかるようです.釣り上げられた魚達を安心させるためには,容器を暗くしてあげましょう.我々でしたら,T部長にアイマスクをされ連れ去られたら,逆に暴れそうですが,魚達は暗くしてあげたほうがよさそうです.ですから,容器を遮光するか,暗目の容器にされる事を薦めます.遮光性があって保温性もよいクーラーボックスが最も適当かもしれません.まだ私は試していませんが(我家のクーラーボックスが大きすぎるため),きっとつかえると思いますよ.
 下の写真は、捕獲箱プロトタイプVER2.3です。とかきましたが、発泡スチロール性のクーラーボックスに電池式エアレーションを二個装着したものです。発泡スチロールですから、魚が暴れても痛みが少なくてすみます。電池式のエアレーションは、気密性が悪いので雨が降ると水浸しになります。このあたりを改良してVER3.1ぐらいにしようかと考えています。あと、チョッとかさばるのと、共鳴箱になってエアレーションしてるときがうるさいのも弱点ですね。
 夏場は、水温がどうしても上がりがちなので、保冷財の小さいのを3個ほど入れて海水を若干冷やします。

水槽とのマッチング

屋外からつれ帰った状態と水槽の状態はかなり異なります.出来れば,熱帯魚の導入のように,温度を合わせてから水槽に入れたほうがよいでしょうね.

捕獲魚の混泳

とれたての生物は,食べる事よりもまず現状から逃げ出すことを優先するようです.あたりまえと言えばあたりまえですね.従って,食事は二の次になるらしく,捕食者を混泳させても食べられたことは今までありませんでした.気を利かせて,撒き餌を餌としてバケツに入れても見向きもしません.それどころか,その撒き餌が海水を汚し,せっかく捕獲した生物を死滅させてしまう事すらありました.