モモヒナについて(3/8写真更新) 過去日記 掲示板

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2008.3.3(月)十歳になりました

 今日で十歳。

 二人ともとっても大きくなりました。

 再来年にはもう中学生なんて信じられない。

 この日記にアップした小さい頃の写真を見ていると涙が出てきます。

 とはいえ、巣立つにはまだまだかかるのだけれど。

 

2007.7.13(金)ありがとう日記才人

 はじめた当時三歳だった双子もいまや九歳。

 相変わらず喧嘩ばかりしていますが、私にとってはまだまだ可愛い可愛い双子の女の子です。

 子育ては辛くて。楽しいし可愛いけど辛いことのほうが多くて。

 けれどもわずかながらも育てた日々を記録できて、また、読んでいただけて嬉しかったです。

 これからどんな風に育ってどんな大人になるのかわからないけれど、がんばって子育てしていきます。

 日記才人ありがとう。お世話になりました(^^)(^^)。

 

 

2007.3.3(土)九

 双子はついに九歳になりました。

 相変わらず喧嘩は多いけれど、ヒナちゃんは理屈屋に、モモちゃんは相変わらずの天然っぷりです。

 おばあちゃんからもらったDSで通信ゲームを楽しむ日々。

 勉強もますます忙しくなってきました。

 部屋の掃除が苦手で体操着とか上履きとか出さないのは何度言っても直りません。

 近頃は三人で中学受験の話などもしています。

 ヒナちゃんなどは

 「中学受験をすればー、高校受験をしなくてすむしー、でもー、中学受験をしないで済んでもー、高校受験があるしなぁ」

  と難しい顔で苦悩しています。そこに

 「とりあえず中学受験してみて、落ちたら公立ってことでいいじゃん」

 と超適当なことを言う私。

 どうなることやらわかりませんが、どうやら二人は受験をする気が満々らしく、勉強に本腰を入れ始めたようであります(ってほんとですか←今のところはね)。

 


2006.5.17八歳

 近頃は勝手にお友達と遊びに行くようになった。生意気な口答えもするようになった。

 でも二人ともまだまだ甘えん坊で、一緒にお風呂に入ると「ママ、お腹ペタして」とくっついてくる。

 お腹ペタは、お腹とお腹をくっつけて「ぎゅー」と抱っこすることで、これをすると二人とも落ち着くのだそうで。

 たまに私が遅く帰ったりしてできない日があると、その日はいいのだが翌日になって暴れる。

 「ママ昨日お腹ペタしてくれなかったしてれなかったしてくれなかった!」

 なので、シャツのお腹をまくりあげて「ほれ」と手招きしてやると、自分たちもお腹を出してペタとやってくる。


 たまに、そのままの格好で抱き上げ、鏡にその姿を映してみる。


 あたりまえだが、赤ちゃんのころと比べるとそのあまりにも巨大さにびっくりする。もう「ダブル抱っこ」はできない。二人合わせると五十キロ近いのだもの。


 けれども私が「ヒナちゃんモモちゃん、ほんとに大きくなったねぇ」というと、二人は寂しそうな顔になる。


 「ボクたちはずっと赤ちゃんのまま、ママのそばにいたい」


 そう言われると、私も少し寂しくなる。

 子供はずっと赤ちゃんではありえない。成長して大きくなって、いつかは親の元を離れていく。いや、そうでなくてはならない。


 手放すときはつらいだろうか。悲しいだろうか。そんなことを、このごろは時々考えてしまうのである。

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11.25子供がいるということ

 私はどうも外見的にとっつきにくい印象を与えるらしく、黙っていると知らないうちに人の輪から外されてしまうようなところがあるのだが、先日とある集まりで何かの拍子に話をして「子供? いますよ二人」みたいなことを言ったら


 「しじょーさん、お子さん、いたんですか。なあんだ」


 などと言いつつ、彼らはいきなり態度をやわらげてわらわらと寄ってきた。

 この態度の違いはいったいなんなんだと思って聞いた。そうしたら最初のうちは「若く見えたんでとても子供がいるようには思えなかった」だの「所帯じみていなかったのでてっきり独身かと思った」だの適当なおべんちゃらを言っていたのだが、じわじわと問い詰めて白状させると以下のようなことを言い出した。


 「だってしじょーさんて、なんか人間できてないみたいに見えたんですよ。あはは」


 なんだと〜! ということは私は外見だけで「人間できてない」と判断されたってわけなのか〜!


 「でも子供がいるってわかったから、もうその疑いはなくなりました。子育てを経験しているのなら、それなりに人間もできてますよね。今まで悪かったですよぉ。これからは仲良くしてください」



 かつて二十代だった頃に、私も考えたことがある。

 「三十代も半ばを過ぎて、夫も子供もいない状態だったらどうしよう」

 当時は結婚に失敗したばかりで、結婚とか出産を人生計画の想定に入れていなかったものだから、自分がそうなる可能性は充分にあった。

 それからしばらく経ってモモとヒナが産まれたときは「さあこれからが大変だ」と  思う反面、「これからはもう肩肘張って生きる必要もないのだ」と安心する部分もあった。


 子育てに忙殺されると、細かいことを気にしているヒマがなくなる。これは親としての本能みたいなものだろう。

 それに加えて人間の育つ過程というものを目の当たりにするので、社会的に接していて嫌な人に出会っても「この人はたぶん過去にこのようなことがあったせいでこのようになってしまったのだ」ということがわかるようになってくる。

 幼児と大人というものは、年齢の隔たりこそあるものの、その基本においてはあまり大きな差はない。

 人は機嫌が悪ければ泣くしやつあたりするし叫ぶし、でも優しくされれば嬉しくてなごめるし癒される。そういうものなのだということが、理屈以外の部分でよくわかってくるのである。



 「ハリー・ポッターを見に行きたい!」「封切り日に見たい! 連れてって!」


 テレビの前作シリーズに触発されたモモヒナが、私に対してそうねだってきた。封切り日・・・・・・ずいぶん贅沢なことを言うようになったもんだ(しみじみ)。


 普段なら決して行かないであろうこの手の映画だが、他ならぬ可愛いモモヒナの頼みとあっては仕方ない。

 ヴァージンシネマズ六本木ヒルズで指定席を取ってあげよう(←実は自分が行ってみたいだけだったりする)。



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2005.11.19 もっと甘えるよ うんと抱きしめるよ

 この頃モモとヒナを抱きしめていると、なんだか寂しくなってくる。

 あれだけ大きくなれ大きくなれと願っていた二人だが、気がつけばもうすぐ八歳なのである。
 

 「ママに甘えてくれる期間もあと少しだね」


 そう言うと、ヒナは私にぎゅっーとしがみつき

 「甘えるもん。ヒナちゃんは、ずーっとママに甘えるもん。十歳になっても、中学生になっても、大学生になってもこうしてママにあまあまするんだもん!」

 と言う。それに習って、モモも私の脇の下に頭を突っ込む。「ママ、大好きだよ」



 この頃過去日記を読んでいると、涙が止まらなくなってくる。

 赤ちゃんの頃、もっともっと抱っこすればよかった。

 仕事なんかしないで保育園なんかに預けないで、私一人でべったりと育てればよかった。

 モモとヒナとの蜜月を、もっともっと楽しめばよかった。

 あの頃は何をあんなにあせっていたんだろう。私は。私は。


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2005.7.12 子供の塾

 こことかここに塾のことが書かれていて、小学生も四年生くらいになるとかなり大変だと戦々恐々する二年生の親である。

 公立小学校に関しては、私もまったく期待していない。

 未だに連絡事項がみんなプリントとか、いまどき電話連絡網とか、三十年前とまったく変わらぬアナログな事務処理しか思いつかない人々には期待するだけ無駄というものだろう。

 私にとって小学校は「働いている間子供をとりあえず保護してお友達と遊ばせてくれる場所」である。

 要するに保育園程度の期待しかしていないのだ。

 保護してくれる上に、そこそこの秩序と共存を学ばせてくれて、しかもちょっと勉強も教えてくれるのなら、もういいかというところ。


 じゃあ肝心の勉強はどうするのかと言われたら、これはもう親が教えるしかないと思っている。

 ガチで二人を教えるとなるとかなり大変ではあるが、小説を書く身としては今後の参考になることも多いし、自分としても小学生の勉強をしっかりやり直すなんて機会はもう二度と訪れないとも思うので、それなりに意義を感じられる部分もある。子供の理解力もわかるし。


 けれども日常を忙しく過ごしているお母さん方には、勉強を教えるのが毎日となると時間的にもかなり難しい部分があると思う。

 そうなると塾の出番なのだろう。

 まったく人の弱みにつけこんだボロい商売だよなと腹立たしく思うものの、その方針を見てみるとやはり「たくさんの子供を教えるにはこの辺りが限界なんだろうな」と思ってしまう。

 真の個別教育はやはり親にしかできないなと思うのだが、それにしてもつくづく幸いと思うのは「この子達を育てているオトナが私一人でよかった」ということで。


 もしも私に、子供の教育に関して口うるさい連れ合いとか姑とか母がいてそれが「受験命」とか「週六日は塾」なんてホザく人間だったとしたら、それこそ盛大な大戦争が始まっているところだった。

 私は私自身がお腹を痛めて産んだ子供を、私だけで好きなように育てていける。

 母親として結構幸せなことじゃないかと思うのだけれど。


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2005.4.20 くやしくてたまらない

 三人で道を歩いていたら、棒を持ってボロボロな格好をして髪型もボロボロなおやじ(住所不定の方かしら)から、ろれつの回らないしゃべり方で声を掛けられた。


 「おねえちゃんたち、双子? かわいいねぇ。いくつー?」


 モモが明らかに怯えた様子で私に耳打ち。


 「ママ、あのおじさん、なんか変だよ」

 「うん。変だね。ほっときな」

 「でも、ずーっとついてくるけど」


 見るとそのおやじ、けたけたと笑いながら、持っている棒であちこちをバシバシ叩きつつ、早足でこちらにやってくる。これはもう明らかにおかしい!


 「ママ、恐いよ」「どうしようママ」

 
 このやろう。そばに私というれっきとした母親がいるっていうのに、舐めた真似しやがって(しかもまっ昼間っから)。
 

 「大丈夫よ。ママがいるから」

 とはいえ、そのおやじとの距離はどんどん縮まってくる。やばし。


 今度は私が二人に耳打ち。


 「ふたりとも、ママが合図したら走るのよ。で、あそこに入る」


 私が前方にあるマクドナルドを指さすと、二人は力強くうなずいた。


 「それっ。今だ!」


 二人は一目散に駆けていく。その後ろを「二人とも〜。待て〜」と楽しそうに追いかけていく私。



 「・・・・・・はぁ。はぁ。はぁ。もういないかな?」

 「いないみたい」「よかったあぁぁ」


 そのとたん、私の両膝がガクガクと鳴って崩れ落ちた。


 「ママだいじょうぶ?」「しっかりして」

 

 どうやら一番恐かったのは、私だったらしい。


 マックシェイクを飲みながら、三人でしばしの休憩。


 ああいう変なおじさんって、学校から帰る途中でいたりする?


 「うん。いるいる」「いつもおんなじ場所で笑ってたりするの。で、いっつもニヤニヤしてるの」


 そういう時ってどうするの。


 「しらんぷりして逃げる」「うん。何を聞いてもしらんぷり」



 私はとても情けなかった。

 子供達に変なことをするようなヤツがいたら、真っ先に立ちはだかって叩きのめしてやると思っていたのに、我が子のためならそれができるはずだと思っていたのに、いざとなったら恐くてただ逃げることしかできなかった。

 ほんとうに情けない。母親なのに。

 
 「ママ、泣いているの」「こわかったの? もう大丈夫よママ」


 大事に産んで大切に育てた我が子が変なヤツにおびやかされても、逃げることしかできないなんて。

 ママ、とってもくやしいよ。くやしくてたまらないのよ。


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2005.4.16 よく遊び、よく食べ、よく眠り、よく学ぶ

 ソメイヨシノに替わって八重桜が満開の新宿御苑へお花見に。

 着いたとたん、二人は靴も靴下も脱いでしまい、芝生の上で転げ回っておおはしゃぎ。

 「元気だねー」と笑いつつ寝っ転がると、閉じたまぶたに赤が散る。

 太陽に透ける血潮も、指先からこぼれる青空も、そして二人の子供達もはずむように躍動的で。

 ただ大人だけが、静かに静かに停滞している。


 散々遊んだその後は、御苑を出てラーメン屋に入る。

 カウンターに並んでラーメンを二つ注文するが、モモはカウンターにあった沢庵で白いご飯ばかりを二杯食べ(ランチタイムなのでラーメン一杯につき半ライスが一つついていた)、ヒナはラーメン一杯まるまる食べた。

 
 帰りの地下鉄で二人はぐっすりと眠りこける。

 しかし場所は座席シートではなく、大胆にもドアに寄っかかって床の上。

 「君らこんなところでよく寝られるなー」

 それでも駅に着くと不機嫌に起き出し、けれども家に着くともうご機嫌。

 
 二人をシャワーで洗うと真っ黒な水が流れ出て悲鳴を上げる。

 「なんでここまで汚せるのっ!」

 けらけらと、楽しそうに笑う二人の声が浴室に響く。
 

 ぴかぴかになった後、私が洗って出て行くと、なんと二人は机に向かって勉強していた。

 「君たちよしなさいよ〜。土曜日なのにぃ」

 「だって毎日少しずつでもやったほうがいいでしょ」「二ページだけだから。ね、ママ」

 そのうちイヤでも勉強とか仕事とか子育てとか。そういうものに追われる日々が来ちゃうのよ。

 そう言いたいのを、ぐっとこらえる心は母の冷や水。
 

 いままでだって、やりたいようにやらせてきた。

 これからだって、やりたいようにやらせていけばいいではないか。

 人から指図されるのが嫌いなのは、紛れもなく私の血なのだから。


 「じゃあ無理しないでね」

 それだけ言ってドアを閉めた。そんな土曜日の夕方は、あっという間に過ぎていった。


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2005.4.15 私のいない間に

 今日は買い物をして帰ったらなんだか体調が悪かった。

 なので帰宅してご飯を作ったら電池切れしてしまい、今日はもう休んでいいかと二人に言った。

 二人は「いいよ」と快く承諾してくれた。



 でも三十分後、テキストとドリルを持って寝室へとやってきた。

 「ママここ教えて」 「昨日のここはマルつけて」

 そうか。これがあったかと、横臥しつつ教える。

 復習分はすでに終わり、テキストはすべて予習分となっている。

 「まだ学校で習っていないことを調べながら自分で解答」するのはまだ無理だろう。


 ・・・・・・しかしそう思いつつも、国語の分を教えたところでグロッキー。


 「ごめんね。残りは明日でもいいかな」

 「いいよ」「あしたね」

 
 情けないママでごめんなさい。



 次に気がつくと、二人が傍らにしがみつくように眠っていた。

 私はそっと起きて、電気がつけっぱなしの二人の勉強部屋へ。

 そして、机上にあるテキストの算数ページをのぞいてみて仰天。


 ・・・・・・正解。 正解。 正解。 これも正解。


 赤ペンで大きい花マルをつけながら、大人として少しは見習わなくちゃいかんと思ってしまった。


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2005.4.13 帰宅後の一時間

 帰宅してからもなんだか忙しいなーと思ったら、双子の予習復習に毎日一時間余りも割いている事が判明。

 ちょっとすごくないか。いや、私じゃなくて、学校引けた後も毎日一時間も勉強しているこの子達が。

 いや、一時間も飽きさせずに勉強させている私の腕がすごいのか(自画自賛?)。


 でも双子の勉強を教えるのって楽しいのだ。

 なぜって、同じ学年の子が二人いると「ミニミニ分校の先生」にでもなったような気分で。
 

 「みなさん、わかりましたかー」

 「はーい」「わかりましたー」

 んきゃー♪ みんなお利口さんでかわいいん(この辺りは親バカ)。

 
 それにしても子供の脳みそは驚異だ。

 だって去年はちまちまとひらがなを習っていたのに、今年は漢字に文法に長文読解、あげくの果てには作文までやってしまうのだ。

 「わ」と「は」の違いとか、「お」と「を」の違いも完璧になる。

 まっさらな大人に同じことやれと言われても、多分無理なんじゃないかと思うのだが。


 今日は「音読」の宿題があるとか言ってて教科書を読んでいたのだけれど、つっかえもせずにすらすら読むものだからもうびっくりしてしまった。

 「きみたちはすごいねぇ」

 と心から感心して言うと、二人とも照れ笑いをしながら続きの勉強をする。

 

 繰り返しやったおかげで、モモはすでに三つ並びの複合算にもビビらなくなっている。

 「計算って簡単だよー!」

 そう叫ぶモモは私のひざの上。先に終わってしまっているヒナのほうが、逆にさみしがって大人しい。

 ヒナはすでに予定テキストの150%以上を消化した。この先キミはどうなるのかな。


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2005.4.12 勉強ってセンス


 そんなわけで毎日双子の勉強を見ている私なのだが、双子であっても遺伝子のまるで違う二卵性双子である二人は、当然のことながら勉強に関する出来もかなり違う。


 違いは特に算数に出ている。

 問題を見たとたん「あ、これってこうだよね」とひらめいたように解答を書くヒナに対し、モモは数字そのものにおびえているようで、少し複雑な計算をみると頭を抱え「うわあああ」と悲鳴を上げている。

 (モモはどちらかというと国語がのほうが得意なのだ。教えてもいないのにわからない字はちゃんと辞書を引いて調べるし、文法のセンスはあるし、漢字も一画一画丁寧に書いている。ただ今はまだ基礎の段階なので、苦手な子との差異が出にくいのである)


 そんな風にモモが問題に悪戦苦闘していると、後ろからヒナがチャチャを入れる。

 「これの答えは85だよ。モモちゃんなんでわかんないの。バッカだー。へへへのへー」

 日常では要領が悪くていつもバカにされているヒナが、ここぞとばかりにモモに攻撃。それを聞いたモモがぶちキレて消しゴムを投げる。投げられたヒナは「教えてあげたなのになんで」と筆箱を投げ返す。私は「勉強中に喧嘩するんじゃない!」と声を張り上げる。


 くやし涙に肩を震わせるモモを抱っこした。


 「うえええええん。ヒナちゃんがモモちゃんのこと、バカだってゆったー」

 「モモちゃんはバカじゃないよ。だいじょうぶだよ」

 「でも、でも、モモちゃんは、ヒナちゃんみたいにはやく計算できないよ」

 「計算は早いのが大事なんじゃないの。ゆっくりでも間違いなくするのが大事なの。練習すればできるようになるから。ママがちゃんと見てあげるから」


 そういうと、モモはようやく泣き止んだ。


 そしてヒナなら一度で済む部分を、三回ばかり往復してみる。


 「わかったかな?」

 「んー。わかんない!」


 がっくり。では問題文を日常の話に置き換えてみよう。


 「モモちゃんが八十個のチョコレートを持っていました。でもヒナちゃんがモモちゃんのいない隙に二十九個食べてしまいました。その後、どうせモモちゃんは算数が苦手だから、このくらい食べてもわからないだろうという考えから、もう三個食べちゃいました。さて残りのモモちゃんのチョコレートは何個でしょうか」


 するとモモは猛然と式を書き出して

 「四十八個!」


 さすが。お菓子への執着が並じゃないだけのことはあるのだ。


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2005.4.6 教材がくる。泣けてくる。

 二人に聞いてみることには。なんでもクラスの子のほとんどが進学塾(!)に通っており、いわゆる「帰宅部」はモモヒナとその他数名のみとのこと(まだ小学一年生なのに・・・さすが少子化時代やね)。

 そんなわけで二人は「自分たちもそろそろ何かやらなければいけないな〜」と思ったのだそうで。

 しかし「じゃあ、あなた達も塾行く?」と聞くと「それだけは勘弁して」と二人揃って大懇願。

 理由を聞けば、よく知りもしない先生に指示されて教わるよりは自分で計画建てて勉強したいし(そうよねあなたたち私に似て人に強制されるのが嫌いだもんね)、何よりも塾なんかに行ってママと過ごせる時間が減ってしまうのは絶対にイヤなのだそうで(泣)。

 それにならいいよ。でもできなかったら解約するからね。と言っていたら、教材が届いた。

 狂喜乱舞で箱をこじ開けようとする二人をなだめ、まずは私が中身を確かめる。

 そして。こりゃ完全に親参加型の勉強法じゃないか? と思った私は、指導要領を確認し、その難しさ(特に算数問題における独特な文法のわかりにくさ)に愕然とする。

 なんというか、国語の文法から考えるとあまりにも正しくないのだ。これじゃまるで問題文そのものがなぞなぞである。

 こういうものは数をこなせば、確かに問題文の慣れによって解答力そのものは伸びるだろうが。が。それが果たして本来の学習と言えるのかどうか。



 ・・・・・・というわけで、問題文一つ一つに、国語の文法として正しい解説を口頭でつけながら、ひとつひとつ見ていくことにした。

 二人はとても熱心で「ママと一緒にいられる〜」「ママがマルつけてくれた〜」とイチイチ嬉しそうに笑っている。


 そうか。私に教えてもらうのがそんなに嬉しいのか。と思ったら、なんだか涙が出てきてしまった。

 そもそも私は小さい子供と遊ぶのがへたくそで、二人が「ママ遊んでよ」と言ってきても、なかなかうまく遊んであげられなかった。

 けれども今になって。それを取り返す方法がまさか勉強だなんて、そんなことで二人がこんなにも嬉しいと思ってしまうなんて。いままでを考えるとなんだか悪いような気がしてきて、ますます泣けてくるのだった。


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