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極私的映画戯言

 
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千と千尋の神隠し                      ★★★★+★1/2
千と千尋の神隠し
 遅ればせながら、話題の宮崎アニメをようやく観てきました。新しい作品を発表するたびに「もう引退する」と連発している宮崎監督ですが、まだまだやりたいことは頭の中で膨らんでいるんでしょう。テレビで、劇場で、けっこう宮崎作品は観てますが、今作もやっぱりいいデキでした。何て言うんでしょうか…観終わった感想を一言で言えば、心が和んだというか、安心したというんでしょうか。
 
 今までの宮崎作品は、どちらかというと主人公は勇ましかったり特別な能力を持ってたりして、すでに“役割が完成された状態の主人公”として物語が始まるんですが、この「千と千尋の神隠し」は全く違ったんです。主人公・荻野千尋は決してそういうタイプの女の子じゃなかったんです。冒頭のシーン、転校先の地に向かう車のなかで両親にイジケてみせたりスネてみせたりするごく普通の小学6年生で、道中迷い込んでしまった不思議の世界でも、いつ弱音を吐いてくじけてしまうのか観客が心配になってしまうくらいなんです。
 
 ファンタジーの中にも、何か教訓めいたモノを投げかけてくれる宮崎監督ですが、今回は主人公である10歳の女の子、同年代すべての“小さな友人”に向けてのメッセージが含まれています。(詳しくお知りになりたい方はパンフレットをお読み下さい)しかし、そのメッセージは大人も真剣に受け止めて考えさせられる物語構成になっています。
 
   この世の中で、自分の存在とは何なのか?
   見返りを求めず、人のためにどれだけの事が出来るだろうか?
   本当の意味で、自分は困難に直面したことがあるだろうか?
   自分の発言した言葉に、責任を持って行動しているだろうか?
   自分のこれまでの経験を、すべて覚えているだろうか?
 
・・・そんな少々哲学めいたことを感じたのは、私だけでしょうか(^-^;
 
 映像面では、今回、宮崎作品では初めて「DLPシネマ上映」という方法で一部映画館で上映されています。これは、従来のフィルムを使った方法ではなく、デジタル画像データを使ってプロジェクター投影する方法のことです。すでに公開と同時にいくつかのテレビ番組で取り上げられたりしていたので、ご存じの方もいるでしょう。この方法だと、すべてがデジタルのためスクリーン上に出る「キズ」や「汚れ」の心配がなく、何度繰り返し上映しても映像が劣化することなく鮮明なままなのです。
 今まではマスターフィルムからダビングしたフィルムを全国の劇場に運搬するのに時間がかかって公開日が微妙にズレたり、同じフィルムを複数の劇場で使い回していくので映像的な劣化や音声的な劣化があったりしたんですが、このデジタルデータを光ファイバーや映像用の専用回線を引くことで瞬時に送信する事ができ、しかも一会場で複数のスクリーンに上映することも可能なのです。ただし、まだまだ試験的な運用であるということと、映写技師の立場や資金的な面など課題が山積みなので、都市部でも設置している劇場が少なく全国規模で一気に広まる…というわけではなさそうですけどね。本格的なブロードバンドの時代がやってくるまで、何とも言えません。
 
 そういう、デジタル化した映像のお陰で、随所に普通のセルとは違った映像が出てきます。とある「水の風景」や、とある「花の風景」がそれにあたります。でも、今回に限って、あえて物語のあらすじに触れることは何もお話ししません。それは皆さんが鑑賞する上で、かえって邪魔になる情報になってしまうだろうから。ビデオでも劇場でもいいです、童心にかえってぜひご覧になってみて下さい。きっと何か心の中に残るものがあるはずです。
 
 余談ですが、今年の10月1日に東京は三鷹の井の頭恩賜公園内に、その名も「三鷹の森ジブリ美術館」というスタジオジブリ作品の美術館が出来るそうです。詳しい場所や入場料等は、まだ正式発表されていませんので、そのうちワイドショーや専門誌などで目にするでしょうから、ファンの方はこまめにチェックしておいた方がいいでしょう(笑)
 
【東宝公式サイト 千と千尋の神隠し】
http://www.toho.co.jp/sentochihiro/welcome-j.html

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Last updated: 2004/10/20