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極私的映画戯言

 
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※ ★の数は、オススメ度です
The Matrix Reloaded(マトリックス・リローデッド)           ★★★
(C)2003 Warner Bros. All Rights Reserved. (C)2003 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.
 とにかく、まずは前作「マトリックス('99)」を観て下さい。明らかに、ストーリーが前作を観た客向けに展開していくし、登場人物やら場所に関しての説明などは一切無いです。
 その上、会話の内容も深くて謎めいている部分が多いので、それを理解する前に、次々と怒濤のアクションシーンが重なってしまって、いったい何だったのか分からなくなる可能性が高い作品です。
 というか、一度観たことがある人でも思い返す為に、もう一回観直してから劇場に行くことを強くお薦めします。じゃないと、世界観に付いていけなくなること必至です(^-^;
 
 そういえば、今では珍しくなくなった「VFX」(撮影後に加えられるCGやデジタル合成など“視覚効果”のこと。前作では、固定スチルカメラのフィルムをデジタル処理して、360℃以上あり得ない角度をカメラが回転する効果を出した。これに対し「SFX」は、撮影中にリアルタイムで加えられる“特殊効果”のこと。)の走りは、この「マトリックス」からだったなぁ・・・。
 それもそのハズ。前作では412カットだったVFXが、今作では3倍近い1175カットに上ったらしく、観終わった後の「合成しまくり感」は伊達ではない。その上、11月に上映される「マトリックス・レヴォリューション」では、さらにこれを上回るVFXがあるとのこと。楽しみだ。
(C)2003 Warner Bros. All Rights Reserved.
(C)2003 Village Roadshow Films (BVI) Ltd.
 
 肝心の中身だけど、あらすじは伏せることにする。っていうより、物語上、前作を観て、さらに3部作のラストを観てみないことには細かく書けないし(^-^; 前評判通り、視覚的にはとても面白いし見応えもある。面白いんだけど、最終的に、どうもこうシックリこない。まあ、確実に続きがあるから、今回はこれでいいのかもしれないけど、ひとつの作品として何らかの決着を付けて欲しかった気がするな。もうちょっと期待を持たせる演出が欲しかった。
 
 より派手に、より長くなったいくつかのアクションはホントに見物だけど、ただそれだけって感じが否めない。見た目のうわべだけの面白さに留まってしまって、物語の核がぼやけてて、ちょっと人に無理には薦めないというレベルになってしまった。前作から引きずってる愛情云々のくだりも、中途半端な表現だったし。大のキアヌファンなら文句なく観に行くんだろうけど、若干、気を悪くするシーンがあちこちに出てくるので心構えを忘れずに(*^o^*)
 
 前作の時は、たしか哲学めいた「虚無感」を強く感じた記憶がある。あれは「マトリックスが一体何なのか?」、その答えの向こうに何があるのか分からない状態で観ていたこともあるし、登場人物がみんな暗く感じられたから。今回は、そういう世界観を理解した上で、ストーリーがどう展開していくかを確認しながら観てたけど、やっぱり会話の内容がちょっと難しかったね。ネオ(キアヌ・リーブス)予言者(グロリア・フォスター:故人)のシーンも、物語の後半部分でネオが辿り着くシーンでも。相当、理解力のある人がちゃんと聞いてないと、何の話をしてるんだか訳分かんないままに流れちゃうんで、あそこはホント要注意です(^-^;
 
 ちなみに、“マトリックス”とはコンピュータが作り出した「仮想現実空間」のこと。今、僕らが生きていると思っている「この世界」は、すべてコンピュータが見せている「夢=偽物」だということだ。人類は、生まれた時から機械への電力供給の為、ポッドで「サイバー人間」として培養され、死ぬまでの間、ずっと「マトリックス」の中で仮想人生を過ごしている。しかし、この偽の世界に気が付いた一部の人類がいる。自由を取り戻そうと闘っているのが、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)トリニティ(キャリー=アン・モス)ら、“ザイオン”で暮らす人々って訳。ま、ここらへんは、前作を観ないと理解できないお話なんで、やっぱ観て下さい(笑)
 
 
 
 
〜〜〜〜〜〜〜〜ここからネタバレ注意〜〜〜〜〜〜〜〜
 
 
 
 
 さて、映像面ではというと、こちらは見所がたくさん。冒頭では、例の「緑色の暗号の雨」が降ってるなぁと思ってたら、いきなりアクションシーンが始まって「お約束のオチ」であっという間に終わるし。ここは全体の「掴み」の部分でもあるし、後半への「ネタ振り」にもなってる。
 序盤にある、ザイオンの「2000人ダンス・シーン」は、アフリカというか黒人音楽っぽい雰囲気がプンプンしてた。チラッとだけの登場かと思ったけど、意外と長くてちょっとだらけたかな。さして意味のある様に思えなかったから、そう感じたのかもしれないけど。カットバックで挿入される、ネオとトリニティへの「感情の高ぶり」だとしても、やっぱ長い気がするな。
 
 お次は、TVCFでお馴染みの「ネオvs100人のスミス」のシーン。このエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング)がどういう役回りなのかは前作を観てもらうとして、観ていてホントに圧巻だった。最初は、本物の役者どおしとそのダミー役とで闘ってるように見えてるんだけど、そこからがスゴイ!! まるで分身の術で、なんか二流の忍者映画みたい(笑) 一応、背景と人物の動きをよく見てれば分かるけど、中盤から合成が入ってきて、最後の方はほぼ全員がCGだったと思う。
 実は、ゾロゾロ増殖したように見えたのは、本人から作った10通りほどのCG俳優とダミー俳優12人が演じてたそうだ。モーションキャプチャでは俳優の動きを取り込み、さらにそれぞれの俳優の、肌の質感や身体の体型はHDCAMカメラなどで撮影の上デジタルデータ化され、それに加え衣装までも詳細なデータにして、それらをデジタル処理して誕生した“完全なるCG俳優”を、何重にも何重にも重ねてあの大人数になってた。それぞれの動きはちゃんと一人一人の俳優がアクションしてて、この5分間の対決シーンを撮影するのに27日もかかったそうだ。しかしまぁ、思い返してみても、あの強引な増えっぷりは、最後には笑っちゃうぐらいの勢いだったなぁ(^-^;
 
 他にも、実際に軍の基地に3キロのセットを組んだ・・・というより建てた、ループ型の高速道路で撮影された「ハイウェイのカーチェイス」は、ハラハラドキドキの連続。さすが「時間と金かかってます!」って感じで、次から次へと流れていく。このシーンには、逃げるモーフィアスとトリニティ、それを別々に追うエージェントとザ・ツインズ(ニール&エイドリアン・レイメント)が目まぐるしく登場しては消えて、一瞬たりとも目が離せない。
 特に、バイクアクションが心臓に悪い。わざわざハイウェイを逆走するもんだから、大型トレーラーや乗用車に突っ込んでいく様に見える。スピード狂の方には快感かもしれないけど、そっち方面は苦手な方は辛いかも。しかも、カメラアングルが車の「股抜け」で迫る所が随所に出てきて、非常にスリルがあった。ただ、残念だったのは、ツインズの扱い。この手の強敵は、映画の最後の最後まで残ってて当然なのに、あまりにあっさりと居なくなってしまった。そりゃ、あの“壁抜け”特技をあっちこっちでやられたら、合成上の処理が大変で、長い間出してられないのも、うなずけるけどね。
 
 で、個人的に興味があったのは、その撮影技術。最近のハリウッドものは、必ず仕上げの段階でデジタル処理が入るんで、撮影そのものを「フィルム」じゃなくて「デジタル」で行うものが増えてきた。ジョージ・ルーカスや国内でも岩井俊二監督が使って有名になった、ソニーのHDCAMカメラ「CineAlta」。これは、通常1秒間を30フレームで撮影するところを、24フレーム、つまりフィルムと同じ質感を保った状態で撮影することができ、さらにデジタルでテープに記録できることで、加工処理の際、高画質で処理できるという特徴がある。
 ただ、映像をフィルムに焼き付ける方法より、圧縮であれ非圧縮であれデジタルデータに変換して記録した方が膨大な情報量になってテープでは記録できる量に限界がある。そこで、今作では、通常圧縮して記録されるHDCAMデータを非圧縮で、直接ハードディスクに行うという手法が取られた。実際には、テープの代わりにHDDを積んでるだけなのか、それとも物理的な限界をなくす為に、HDDを何発も組んでギガではなくてテラ単位の容量を持った別ユニットを作ったのか、そこらへんに妙に関心がある。
 
 はてさて。ちょっと脱線したけど、感想としては以上のような感じ。あくまでも「前作は観てるよな? で、次回作も観てくれよ」ってトーンで話が進むんで、これは観に行ってしまうと、結末が気になって仕方がないです。すでに、今作と同時進行で「〜レヴォリューション」も編集が進んでるそうなんで、ひょっとしたらもう出来てたりして?(^-^;
 というわけで、観に行けとは言いません。劇場に行ってその先が気になるよりか、WOWOWやDVDを待ってもいいし、いっそのこと、両方を一気にDVDで観た方がスッキリするかもしれませんね。
 
 
脚本/監督/
制作総指揮  ウォシャウスキー兄弟
 
出    演  キアヌ・リーブス          (ネオ)
         キャリー=アン・モス       (トリニティ)
         ローレンス・フィッシュバーン  (モーフィアス)
         ヒューゴ・ウィービング      (エージェント・スミス)
         ジャダ・ピンケット・スミス     (ナイオビ)
         モニカ・ベルッチ          (パーセフォニー)
         ニール&エイドリアン・レイメント(ザ・ツインズ) ・・・ほか
 
【公式サイト】
http://whatisthematrix.warnerbros.com/
 
<鑑賞データ>  2003年5月24日 東映シネマ2(14:00の回)
 
 曇り空の土曜で、先々行上映の初回としても客の入りはイマイチ。都会ではあり得ないと思うけど、これが地方の現実。112席中、埋まっていたのは7割程度だろうか。まあ、いくらなんでも夜の部は立ち見が出てるとは思うけどね。そう信じたい。客層は、意外とカップルは少なかった。しょっちゅう映画館に入り浸ってるであろうオッサン系と、学校のない中・高生が大半だった。
 素晴らしいと感じたのは、劇場内で携帯電話が通じなかったこと。PHSもeo64もダメ。ちょっと地下気味って事もあるけど、ひょっとしたら、シンフォニー系の大型ホールのように、許可を取って電波妨害装置を置いてるのかもしれない。これで、ここの劇場では安心して映画に集中できるな。怖いのはアラームだけだな。・・・でも、こういうところにでもZaurusをフルキットで持ち込んでる自分って(笑)

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Last updated: 2004/10/20