まず初めに

この物語は『Joker』に関連するすべての物語の最終章です。
この物語の前に、全作品をご覧になることをオススメします。
なお、この物語はフィクションです。
現実には起こりえないときちんと理解ができる方のみご覧ください。



は平等である。

それは動物としての優劣など関係なく平等である。
しかしあえて私は言おう。
なぜ、平等である必要があるのか?
私は――きたい。
なぜ、ななければならないのか?
だが、時は刻々と私を蝕み、"死"をもたらそうとする。
私は考えた。
ならば少しでも"死"に抗いきてやる、と。
私は実験を開始した。
しかし結果はいつも同じだった。
――失敗。
それどころか、私のは徐々に近づいている。
しかしそれも終わりだ。
私はきる。

少しでも永く――私は、きる。

私がぬ世界など、未来など――全て、否定してやる。


とある場所に置かれている実験記録を読む



第一楽節 竜宮 愛たつみや まなと始まりの鎮魂歌レクイエム



交わった道、交差する遊戯、そして現れる首謀者。
告げられる言葉と、繋がる道。変貌するシナリオ。
されど私は歌う、誰かに捧げる鎮魂歌を――。

START






第二楽節 ヴェイン・ガクナッツと集いの交響曲シンフォニー



俺達は集った。欠けた指標は道を示さず困惑を生む。
さらに虚偽は衝撃を生む。それでも俺達は足掻いていた。
だから俺は歌うのだろう、指標の断片と交わる交響曲を――。

START






第三楽節 市ヶ谷 晶良いちがや あきらと思い出の哀歌エレジー



何も知らない指標の断片。救うもの救われるもの。
出会いは奇蹟を招く。だが奇蹟は選択できず去っていく。
だから僕は代わりに唄おう、その者達との哀歌を――。

START






第四楽節 哀川 乙姫あいかわ おとひめと未来の不協和音ディスハーモニー



何も知らない私。何も分からない私。
なのに真実の調は私の存在を危ぶみました。
さらには、仲間達と私の歌に交わる不協和音――。

START






第五楽節 猪名川 無次いながわ むじと自分自身の協奏曲コンツェルト



私は裏切者だ。裏切ったのも裏切らせたのも私と近い存在。
そして私は創造主を止めるため、戦うのだ。
だから私は歌い踊る、私と近しい存在たちとの協奏曲を――。

START






第六楽節 緑ヶ丘 ネィみどりがおか ネィと戦いの即興曲トッカータ



私は戦います。それが私の役割。私の仕事。
削除されない私の身体、それは既定した出来事への道標。
だから私も歌うのです、あなた方と交わる即興曲を――。

START






第七楽節 佐神 宏樹さがみ ひろきと決死の小夜曲セレナーデ



いつか人間ってのは死ぬ。当たり前だ。恐れるのも当たり前。
でもよ、誰にだってそれよりも恐れることだってあるんだよな。
だから俺も歌ってやるよ、お前に聴かせる小夜曲を――。

START






第八楽節 川上 鴇子かわかみ ときことあったはずの混成曲メドレー



何かを、忘れていた。そして大事な仲間を殺そうとしていた。
何かを、思い出した。そして私は出会った。
私も唄おう、かつての仲間だった者達への混成曲を――。

START






第九楽節 猪名川 始いながわ はじめと変わらない子守唄ララバイ



終焉は近い。私は生きる。
全てを終わらそう、参加者達は道化。
私は謳い讃えよう、これは私が道化に贈る子守歌――。

START






最終楽節 不変と改変の聖譚曲オラトリオ



不変を望む者と改変を望んだ者。
それらは命を貪り尽くし、今もなお終焉を待ち続ける。
そして世界は歌い出す、何も変わらぬだろう聖譚曲を――。

START





私は、きたい。
私は、きたかった。
私がぬ、世界を、未来を、
全て否定し、作り変え、きるつもりだった。
しかし、世界は、未来は、何も変わらなかった。
私の――それは覆すことなどできなかった。
いや、それすらも飲み込んで世界は変わらず進んでいく。
こうして、私の実験は終わりを告げ、
私に、
という名の虚無が――
既に決まっていた未来が、変わることのない未来が、
訪れた。

未来は不変だった。決して変わることなどなかった。
――それでも、私は、きたかった。

生きたかったのだ。

-THE END Of Future Negation Experiment Series-


画像提供:M・A・T・E・R・I・A・L,万色の宙,+天使の血悪魔の涙+
|HOME|

Copyright © 多くの細い道 All rights reserved.