エフロ対策1. 珪酸ソーダーを使用したその他の工事
(珪酸ソーダーを使用する防炎塗装)
エフロとはコンクリート内部から流れ出た、水溶性の水酸化カルシウムが大気中の炭酸ガスに触れ
水に不溶の炭酸カルシウム又は珪酸カルシウムに変化したもので、外観上見苦しいとか、排水管が
詰まるとかの実害のある場合もあります。
これは某マンションのゲストルーム前面の外部階段ですが
流れ出たエフロで階段や周辺が汚れ、折角の化粧仕上げが
台無しです。
この階段のエフロ対策補修作業を中心に説明します。
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床も流れ出たエフロでよごれています。
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階段の御影石も汚れています。
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これは浴室のタイルが汚れたものですがタイルに
付着したエフロはやがてタイル表面のガラス質と
反応し、珪酸カルシウムに変化しますので塩酸と
ワイヤーブラシで丹念に洗っても容易には落とせ
ません。
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これは大量のエフロが発生している駅構内地下の
排水管ですが、配管詰まりなど地下排水設備の
維持に年間相当の費用が必要です。
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エフロ発生の原因
エフロの発生には様々な原因があります。
1. 現在のミキサー車で搬送されポンプ車で打設されるコンクリートには
宿命的にエフロ発生の要因が含まれています。
2.現在のコンクリート内部には多くのエフロ要因が含まれていますが、それとは別に
御影石や大理石やタイルなどの化粧仕上げ部分には施工上特に多くのエフロ発生要因が含まれています。
にもかかわらず、現在もその施工方法は改善されていません。
3.エフロ成分は水に溶けて流出し大気中の炭酸ガスを吸収し白色固形の炭酸カルシウムを生じます。
水が無ければエフロも発生しません。
エフロ発生の抑制工事
1.エフロを流出させる雨水の遮断1.グレーチングのセット
階段上部に屋上部分からの雨水浸水を防ぐ
グレーチングをセットしました。
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無論、グレーチングの下は防水して、屋上防水層からも
絶縁しています。
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それでも、グレーチング両横の化粧石の下など防水出来ない
部分が残っています。
雨水の遮断2.目地の防水
通常、御影石にはセメント目地が使用されていますが
全て撤去、シリコンコーキングに打ち換えました。
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目地撤去作業
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コーキングは昼夜、夏冬の膨張伸縮で破損の恐れがあり
永続性は期待出来ません。
更に化粧石の下には雨水が残っていますので、コーキング
の接着不良部分があります。
又御影石自体、雨水の浸透が多少あります。
2.エフロ要素の固形化−珪酸ソーダーの注入
通常御影石や大理石は縦面はエポキシ樹脂又はセメントモルタルのダンゴ貼り、
平面部分はバサモルと呼ばれるセメントモルタルで仕上げます。所が、このバサモルは
比較的通水性がよく、その分エフロ分を大量に発生させます。
しかも化粧石の裏側で外気に触れない為、発生した水酸化カルシウムは何時までも
水溶性として残り、エフロ発生の原因となります。
珪酸ソーダーは水酸化カルシウムと急速に反応し水に溶けない珪酸カルシウムに
変化します。この反応を利用して、セメントの急結剤として広く利用されています。
幸い、御影石の下は一部ダンゴ貼りであり、バサモル
の内部には多少の通水性がありますので、希釈した
珪酸ソーダーを階段上部から低圧で注入し、下部から
流出させました。
即ち、階段全体の化粧石の内部に珪酸ソーダーを満たし、
バサモル及び、流れ出たエフロ分を固形化する作戦です。
工法は化粧石の目地に穿孔し、バケツの中の溶液を点滴
の要領で細いビニールホースで滴下します。
珪酸ソーダーの希釈液(2〜3倍)は粘度が低く、案外
スムーズに滴下されます。
又、穿孔時コンクリートの粉体で注入口が塞がりますの
で、注入ポンプ(高圧)で予め(10〜20cc)程度
通水しました。
(珪酸ソーダー注入図)
但し、化粧石の下には大量のエフロ分が含まれていますので、
2度3度と珪酸ソーダーの注入を繰り返します。無論、それでも内部のエフロ分は大量であり
希釈して注入した珪酸ソーダーは沈積しているエフロ分の極表面でしか反応しませんが、
エフロの流出が止まれば良いのです。
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化粧石を取り外せば内部は空洞です。
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それでも、階段の上から下まで注入剤が流れ落ちる事はなく、所々でせき止められましたので
念のため、各段全てに穿孔注入しました。
参考
珪酸ソーダーはセメントの急結剤として利用される他に、新しく打設した
コンクリートの床に塗布すれば、安価で堅牢な防塵床となります。
又希釈した珪酸ソーダーは粘度が低いので、床のクラックに浸透して
簡単なエフロ防止と防水効果も発揮します。
又、接着剤や防炎塗料と様々に利用されています。
3.エフロ分の排出・・・導水工法
流れ出るエフロ分水酸化カルシウムは外気に触れなければ、無色透明の水溶性の
液体です。この性質を利用して、外気に触れさせずに、外気を遮断して水酸化
カルシウムのまま、無害な所に排出すれば問題はありません。
エフロの流れ出る部分に吸水テープや導水紐をセット
して、エフロ分を目立たない所に導水します。
この現場の場合、化粧が大切です。目立たない様に、
導水工法は埋め込み式として下地を斫り込みました。
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前記の工法で、大半エフロの流出は止まると思われますが
それでも、完全に0になったとは断言出来ません。
多少でも流出があれば導水の必要があります。
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念には念を入れて導水紐と吸水テープを確実にセット
しました。
導水工法の生命は、外気からの確実な遮断です。
その為に、FRPライニングを正確に施工します。
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FRPライニング施工後はエポキシ樹脂モルタルで
仕上げます。
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排水は目立たない、溝の中に流します。
導水工法は樹脂モルタルの下に施工しています。
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作業完了
塗装をすればそれ程斫り跡も目立ちません。
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以上で階段のエフロ処理は完了しましたが、
ここまで説明を見て頂き、有り難うございました。
しかし、余計な事ですが、何か釈然としない物を
感じられた方もあるかと思います。
それはこれだけの工事の経費は誰が負担するのか、
その様な予算を計上出来る現場が他にあるのかと言う事です。
実は、数度に別れた別々の工事を話の都合上、連続した工事の様に説明したものです。
左写真、階段手前、屋上シンダーコンクリート
の一部に修正した跡がります。
これは屋上防水層からの雨水の流入を止める為に
この部分の補修をしたものです。
次に二年前、御影石の目地を全て取り替えて
塗装もしたのですがエフロは少しも改善されませんでした。
その時塗装前の汚れ
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そして今回の工事となったものです。
私は、以前幾つかの改善策を提案していたのですが、今回はその全てを
同時に施工する事となり、多少重複気味ですが、今回こそ失敗は許されませんでした。
施工2年後の写真
(拡大写真) (拡大写真)
2年後の今となっては、自分で自慢する以外誰もほめてくれません。
エフロ対策のまとめ
エフロの汚れで困っている現場は多いのですが
これと言った、確実に解決出来る唯一の方法と言うのはありませんが、
現場に即した下記の方法の内幾つか選択する事は出来ます。
1.エフロ要素の排除
既に施工された建物を排除する事は出来ませんが、
これから施工する、化粧石の取り付けに関しては改善の余地があります。
1.バサモルの材料変更
現在施工されているバサモルはセメントと砂を空練りして使用していますが
これがエフロの最大原因です。
これをエポキシ樹脂のバサモルに変更する事でエフロの大半は解消出来ます。
但し、エポキシ樹脂に依る化粧石の施工上の汚れを防ぐ工夫が必要です。
エポキシ樹脂のダンゴ貼りでも同じ事ですが、水洗いで汚れを落とす事は出来ません。
2.セメントバサモルの珪酸ソーダーでの洗浄不溶化
エポキシ樹脂バサモルの使用が困難とか、汚れを防げないとかの場合、
目地を入れる前に、珪酸ソーダーでバサモルを洗浄、水に不溶化する事で、エフロの大半は
解消します。但し、エフロ0にはなりません。
2.エフロを溶かす水の排除
エフロ汚れの現場には必ずエフロを溶かす水が存在します。
水が無ければ、エフロも発生しません。
エフロ汚れの現場は露天であるとか、風呂場、プールサイド等大半水を排除出来ない所です。
しかし、場所により防水を確実にするとか、クラックを処理するとかで解決出来る場合もあります。
クラックの処理
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3.珪酸ソーダーによるエフロ成分の固形化
エフロを固形化するには前記の様な工法も考えられますが
次の写真の様に大量のエフロが発生する場合、単に汚れの
問題以上に排水設備の詰まりが問題となります。
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漏水原因箇所が特定出来れば、珪酸ソーダを水源に投入する事で
エフロの発生を遮断出来ないまでも、軽減する事は出来ます。
珪酸ソーダーの注入
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4.エフロ成分の排水・・・導水工法
前記の工法に比較して、消極的ではありますが
漏れて来るエフロ分を外気から遮断して、無害で目立たない所に排出する。
これはエキスパン部分の防水不良で漏水を防ぐ事が
出来ません。
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吸水テープや導水紐を張り付け目立たない様に、排水管に
排水します。
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導水工法では、排水時にサイホンの原理で排水の他に外気
をも排出します。
この外気は、漏水の侵入口から取り入れられますので、
外気中の炭酸ガスは漏水中の水酸化カルシウムに吸収され
炭酸カルシウムに変化析出して、漏水の侵入口を徐々に
狭め、止水、エフロ削減効果を発揮します。
施工及び営業的問い合わせ
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技術的問い合わせは
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大阪府高槻市桜ヶ丘北町3−16
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主任技師 大久保 晃