生垣百選 その1
材料・施工

家の周りを囲んだり、庭に仕切りを入れたり、多くの木を植えずに庭に緑を作ったり、生垣は重宝なもの。
ブロック塀などと違って毎年の管理がいるのは面倒ですが、その分施工代が安く収まる事や、ほこりやゴミを葉に巻き取り、騒音を抑えてくれる役目もあります。
ここでは、生垣にどのような樹木が使われているか簡単な解説つきでお見せしていきます。
選択の参考になさってください。

○キャラ(キャラボク)
  
常緑針葉樹。日陰も育ちます。葉が細かく仕上がりがきれい。虫は付きづらい。深刈りは枯れる原因なので注意。
  雌雄異株で、雌株は赤い実がなります。

 雄株と雌株の葉。
実がなること以外の違いはありません。
実は甘くおいしいですが、種には毒があるので吐き出してください。

○西洋紅カナメモチ(レッドロビン)
  
常緑広葉樹。日陰でも育ちます。材が安価で、サイズも豊富。新芽の赤色が美しいです。萌芽力が強く刈り込みに強い。
  上根なので初めは支柱が必要です。最近は虫が付くこともあるので無警戒ではいないでください。

 生垣は薄く作るのがポイント。
年2〜3回の刈り込みをしましょう。

 現在市販されているものは、ほぼ全て西洋種です。
品種改良が進み、数種類が出回っています。

○ツゲ
  
常緑広葉樹。日陰に強いですが、枯れこむこともあります。葉が細かく仕上がりがきれい。虫は付きづらい。
  深刈りは枯れる原因なので注意(春なら強刈り込みにも耐えます)。ハマキ虫に注意。

 ホンツゲは雌雄同株、イヌツゲは雌雄異株で、同じく黒い実がつきます。葉にそれほど差がないので、混ぜて使うこともできます。また形を変えて作る(トピアリー)ことも容易です。

○ドウダンツツジ
  
落葉広葉樹。日陰にも耐えます。葉が細かく仕上がりがきれい。平地でも紅葉が美しい木です。刈り込みに強い。
  虫は付きづらいですが、幹の中に入り込むテッポウムシに注意しましょう。

 落葉樹の場合は、葉が落ちた後のことも考慮に入れねばなりません。
右下の写真は落葉した生垣です。写真内奥はツゲの垣根。使い分けすると素敵に仕上がります。

○カイズカイブキ
  
常緑針葉樹、葉が細かく仕上がりがきれい。深刈りしすぎると、先祖返り(杉の葉のようになる)するので注意。
  虫が付いても、ひどい症状にならないので使いやすいです。手入れをサボると大きくなります。

 葉が細かいので、内側に枯れ葉が溜まりやすく、それが元で虫が付いたり病気が発生するので、特に刈った後はよくゴミを取りましょう。

 一枚の壁にするのではなく、下記の写真のように一本一本独立した列植にすることも多いです。
その場合スペースが必要となりますので、多めに場所を作っておきましょう。

○サザンカ
  
常緑広葉樹。日陰でも育ちます。椿に先駆け10月ごろから開花し、長く咲きます。葉は艶があり美しい。
  チャドクガの被害には注意が必要です。

 よく売られている寒椿という種類はサザンカの仲間です。間違えないようにしてください。

 右写真のように、色々な種類を混ぜて列植するのも面白いです。一冬の間花を楽しめます。
こちらのサザンカは5mあります。

○マキ(イヌマキ、ラカンンマキ)
  
常緑針葉樹。日陰で育ちます。特徴ある葉が個性的です。虫は付きづらいですが、アブラムシに注意です。
  雌雄異株で、雌株は実を生らせます(食べられますが種は毒があります)。

 針葉樹ですが、暖かいところの樹木なので、強剪定は春にしましょう。
葉がないくらい切っても問題ありません。

○ツバキ
  
常緑広葉樹。日陰で育ちます。サザンカより花も葉も大ぶりです。花の種類は豊富で、春先まで咲きます。
  チャドクガの食害には注意が必要です。刈り込みに強いので、春に葉のないところまで切っても大丈夫です。

 サザンカより丈夫で、場所を選ばずどこにでも使える優れものです。ただし乾燥には注意が必要です。


左は乙女ツバキの花

○キンモクセイ&ヒイラギモクセイ
  
常緑広葉樹。虫は付きづらいですが、最近は油断はできなくなりました。花は良い香りを漂わせます。
  日陰でも育ちます。刈り込みに強いだけでなく、大気汚染にも強いので、お店などでもよく使われています。

キンモクセイ;
 葉が大ぶりなので、高垣向き。関東では一番良く見る木です。
こちらは黄色ですが、白花のギンモクセイもあります。
ギンモクセイの方が葉が小さめですが、全体の密集度がそれほどでもないこともあり、生垣ではあまり用いられません。

ヒイラギモクセイ;
 葉質はキンモクセイと同じですが、柊のように葉がギザギザしています。
白い花は、数がキンモクセイほど付きませんが、返ってそれがくどくなく好まれます。
生垣としては、キンモクセイよりヒイラギモクセイのほうが人気がありますが、こちらの方が新芽に虫が付きやすい欠点があります。

○マサキ(数種類あります)
  
常緑広葉樹。日陰で育ちます。光沢のある小さめの葉は生垣向き。刈り込みにも強いです。樹形の乱れに注意。
  萌芽力が強く害虫にも強いですが、マサキにのみ付く虫に注意してください。

 左写真は、斑入りのマサキの葉。
光沢のある緑の葉や、黄金マサキ、小葉マサキなどがあります。
生垣の高さや、他の木とのバランスで選んで見るとよいでしょう。

○カシ(シラカシ、アラカシ)
  
常緑広葉樹。日陰にも耐えます。成長が早く手入れは欠かせませんが、強い木です。害虫にも耐えます。
  ドングリの木で有名ですね。シラカシとアラカシは別種です。

 農家の高垣としてよく使われていましたが、何も大きくせずに低く抑えて(毎年の手入れはかかせませんが)利用することも可能です。
住宅街でも、列植させるような手入れにするとすっきりして品があります。
関東ではシラカシがよく用いられ、関西ではアラカシが使われます。
シラカシは幹も白めで、葉も細め(左写真)、アラカシは葉がもっと幅広で鋸状、幹は黒っぽい(別名アカガシ)感じです。
自分が使う場合は、垣根はシラカシ、一本植えにする場合はアラカシを利用しています。

○モチノキ
  
常緑広葉樹。日陰で育ちます。カシと共に、昔から生垣の材として使われてきました。刈り込みに強いです。
  害虫にも強く、耐火性もあります。

 我が家の正面の生垣もモチです。
光沢のある葉が美しいです。雌雄異株で、雌株には赤い実がなります。

○マテバシイ
  
常緑広葉樹。半日程度の日陰に耐えます。ダイナミックな大きな葉と、横に張り出す枝が特徴。防火樹になります。
  枝は毎年切りましょう。アブラムシが付きやすいので、それ目当てに上がってくる蟻に注意です。

 良く育つ木なので、壁にするより列植にして一つ一つに形を作るほうが見栄えが良いかもしれません。
街路樹としても良く使われています。

○ヒバ類
  
常緑針葉樹。日陰にも耐えます。園芸品種が多く存在し、生垣に向くものが幾つもあります。虫も付きづらいです。
  針葉樹特有の細かい葉が美しいです。萌芽力が強く、手入れはかかせません。病気には注意が必要です。

ヒノキ、サワラ;

 古くから自生する樹木。
両者は別物ですが、利用する際に区別して使うことは少ないでしょう。
春ごろなら強剪定しても大丈夫です。
ヒバの中でも、管理を含め使いやすいものだと思います。

日光ヒバ;

 一時期の建売住宅の垣根は全てこれが使用されているといえるほどどこでも見かけました。
青みが濃く、ヒバの中でも葉先が細かく見た目が一番美しい種類です。欠点として、葉のないところまで刈ると枝が枯れてしまうこと。大きくしてしまうと小さくするのは難しい品種ですので毎年の手入れは欠かせません。

コノデヒバ(コノデガシワ);

 上方に向かって葉が広がるように伸びるので、列植にすると扱いやすい。
日陰だと、下枝等が枯れこむので注意。
エレガンテシマなど、コニファーとして多くの品種があります。

チャボヒバ;

 ヒノキの園芸品種です。
写真のように列植にしたり、一枚の壁として仕立てることも自由です。
伸びが少ないため、列植の方が使いやすいです。
移植時期を間違えると、必ずと言ってよいほど後から枯れるので注意です。

レイランドヒノキ;

 青緑色した細長い素直な葉です。
ヒバの中でも最も萌芽力が強く、刈り込みに強いと思います。
刈り込むほど密になり良くなります。
個人的にお奨めです。
ゴールドライダーなど、園芸種も出回っております。

ツクモ;

 葉が細かくてやわらかいので、見た目も穏やか。
上よりも横に広がる性質があるので、低生垣や玉もの、盆栽として人気があります。

イブキ(ビャクシン);

 こちらは原形種。
葉が硬く短い。枯れ葉が中に溜まりやすいので、なるべく取り除いておくと蒸れずに良くなります。

小葉マサキ

黄金マサキ

斑入り黄金マサキ

アラカシの葉

ヒムロ;

クジャクヒバ;

 細かく、柔らかい葉が印象的なヒバ。
一枚壁より、列植の方が良さを引き立てます。
内側が蒸れやすいので、枯れ葉はできるだけ取り除きましょう。

 先端が黄色く延びる美しいヒバ。
枝が外に広がるが、密になりづらいので、こちらも列植のほうがよいです。

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