ローマ・フィレンツェの旅
2000.05.31〜06.15(16日間)
相田達雄


はじめに

 今回は、はじめての個人自由旅行、しかもはじめてのローマ(9泊)と フィレンツェ(5泊)だけの旅でした。
 大部分は歩ける範囲の観光スポットが多く、古代ローマ文明の遺跡、中世キリスト教文明の建造物、彫像、絵画などを毎日見歩く旅で、食事は比較的簡単に済ませ、 1日平均 3万歩を、ゆっくりマイペースで歩きまわりました。たいしたトラブルもなく、自分なりにみのりある体験ができたと満足してます。

 ところで、ローマとフィレンツェですが、今年は2000年の節目の年、ヴァチカン教会は大聖年の年として、訪れる客を迎えています。そのためか、ローマもフィレンツェも街中に多くの「オマワリさん」の姿を見かけました。スリや引ったくりの活動を封じているようです。観光客の集まる古代遺跡や教会には、監視の警察官やボランティアさんも多く動員されているようでした。
▲ローマ ▲フィレンツェ

 個人旅行といってもワイフとの二人旅で、ホテルは「地球の歩き方」で見つけた二つ星です。事前に日本で予約して行きました。朝食 シャワー トイレつき ツインルームで5500円/人×14泊=77000円、 航空券はHISで購入、大韓航空 72000円、ローマ・フィレンツェ間往復列車料金 11000円、その他 食事 地下鉄 バス 拝観料など9万円 トータル25万円弱でした。



ロンパリを語るときは ローマを見てから

 私は現役時代の39歳のとき、一人ではじめての海外出張を経験しました。 1週間ほどの短い滞在でしたが、ロンドン パリの石造りの街並みを見て、えらく感動し、帰国の飛行機に乗り合わせていた隣席の年配の客との世間話のとき、その感動を伝えたところ、ローマを見てからにした方がいいよと言われました。
▲パンテオン

ローマの印象を、ひとことで言うなら、絢爛、豪華、巨大かつ古代・中近世の歴史を実感するところでした。なるほど街並みはともかく、そこここにある教会は、大きさ、大理石の化粧、天井と壁をかざる宗教画、聖人や偉人の彫像、ステンドグラスなど実際に見てはじめて、書物や映像では想像することのできなかった百聞一見のホンモノが持つすごさに、ただ感動するばかりでした。
▲古代彫刻 ラオコーン ▲噴水

 遺跡や教会など、観光スポットには、おおぜいの老若男女、各国のローマ詣でのお上りさんがガイドマップと説明書を片手に、歩き回っていました。



あこがれのフォロロマーノ・ローマ 祝祭の日々

 成田発 9:30 ソウル乗り継ぎ、ローマ空港には同日18:25につきました。20時ころホテルにチェックイン、まだ外は明るく日が沈む時刻でしたので、やれやれ一安心。まずは第一の関門は無事通過です。

 翌日、早速あこがれのフォロ・ロマーノ(古代ローマ遺跡)へ。遠くから闘技場(コロッセオ)が見えます。フォロ・ロマーノに着くと平日にもかかわらず、観光客がぞろぞろ。定かには分かりませが、いろいろの外国のことばが聞こえてきます。制服を着た修道女の団体も多数見かけました。

 連日、日本の秋晴れのようなすっきりした青空、日中の直射日光は暑いほどでした。快晴は、こころもさわやか、いい気持。日常生活をしばし忘れ、祝祭の日々でした。

▲ローマのフォロ・ロマーノ


ローマの生鮮食品市場

 ヴィトリア広場が泊まったホテルの近くにあります。市場は、その広場(約120m×200m)を取り囲む歩道に青空市場の形式で店がつらなっています。朝、出がけに立ち寄り、果物を日中の飲み水がわりに買い求め、持ち歩きました。黒い色のサクランボは 1kg当たり150〜250円、オレンジは 1kgで4〜5個ありますが、それが全部で 50〜150円でした。値段は、品質・大きさ・色・甘さ・生産地などで決まるようです。安いので、ふんだんに食べました。

 私たちは朝 7時にホテルの簡易朝食を摂り、 8時半外出というパターンでしたが、その市場に着くとだいたいは売買の状態になっているのですが、なかには品物を並べたり、値札をつけたり、準備中のところもあります。そのような準備の仕事が完全に終わっていないところでは、こちらがなんど声をかけても、聞く耳をもたず、目も合わせてくれません。それが徹底してました。


地下鉄 バス 列車の切符と改札

 地下鉄の切符は駅によって、券売窓口で求めるところ、自動券売機のみが置いてあるところ、両方あるところとまちまちでした。ローマの地下鉄は一律約80円です。切符には日時の刻印が打っていないので、乗る前に刻印をする機械で、切符に刻印しなければなりません。

 改札はあって無いようなもの。入口にも出口にもゲートがありません。改札員もいません。したがって、切符を受取るボックスもないので、そのまま懐のなかに納まって、あとでごみ箱行きです。キセルやただ乗りをする人はいないと言うのが条件でこのシステムは成り立っているのです。この国では神はまだ健在なのかも知れません。

 ローマ・フィレンツェ往復は、日本の新幹線相当のEU(ユーロスター)に乗りましたが、切符は前日に窓口で求めました。ホームは他の列車と同じで、特別の扱いはしていません。改札がないのでホームまでは誰でも入って行けます。ホームの高さも、30センチくらいで隣のホームに線路を横断して行くことも可能です。

 フィレンツェ駅でのハプニングですが、ローマに戻るため、指定のホームで待っていたら、列車が入ってきました。しかしドアーは隣側のホームのドアーが開いて乗客が降りてます。そのうちこちら側が開くのだろうと待っていたのですが、発車 5分前になってもそのままです。慌てて地下道をとおり、ホームに駆け上がって見るとひとつ隣のホームではありませんか。慌てて線路を横切り、列車の止っているホームにたどり着き乗車することができました。


ミケランジェロのダビデ像

 ミケランジェロのダビデ像をフィレンツェに着いた翌日、ヴェキオ宮殿に面した広場で最初に見かけました。その後、小高い丘の上のミケランジェロ広場でも見ました。これは当時のフィレンツェ自由都市の象徴として制作されたそうですが、旧約聖書に題材をもつ巨人ゴリアテに立ち向かう青年ダビデの緊張感のある裸体像です。贅肉のない筋肉質の若者の理想的な肉体、そして前方をキッと見すえる緊張したまなざし。 5メートルほどもある大きな大理石像ですが、遠くから見ても近くに寄って細部を見ても、よくぞこれほどの作品を創造できたものだと ただ感じ入るばかりでした。

 上記の二体はレプリカで屋外にあるため、少し汚れがありますが、ホンモノはアカデミア美術館にありました。フィレンツェを離れる前日、そこを訪れました。室内のせいか大きく感じられました。約500年前(1502年から2年かけて完成)に創作された作品が当時の意図に反しホンモノは屋外から屋内に移され、入場料を出さないと見れないのも時代の流れ。少しでも永く原形を保つためにはやむを得ないことなのでしょう。


食のこと

 記憶がだいぶ薄れてきましたが、わたくしたち二人の外食事情を記してみます。ピザはよく食べました。持ち帰りは一人前400〜500円そこに座って食べれば、ソフトドリンクなども注文して千円か千五百円程度。ピザ生地はわたくしが日本で食べるものよりやや厚めで、カリット焼けておりトッピングの種類もおおく満足でした。

 レストランは高いので三日に一度ほどでした。レストランのなかでもトラットリアは安めです。フィレンツェのトラットリアでトスカーナ料理とトスカーナ産のキャンティワインそして 2人前で 1kgのボンステーキを注文しました。柔らかくおいしいお肉なのですが、 お腹がいっぱいになり、お肉を 3分の1 ほども残してしまいました。トータルの値段は、お1人さま 3500円。

 中華レストランは安く感じました。ローマでは一品料理を何品か、フィレンツェではフルコースを食べ満足な味と量でしたが、一人前約2500円でした。中華料理は本当に何処にでも進出していますね。安く慣れ親しんだ味で、庶民的なお店で安心して食べることができました。


ローマ フィレンツェの歴史的文化遺産

 ローマは古代ローマ帝国の首都、中世以来キリスト教カトリックの総本山、ヴァチカン教会のあるところ。 さすがに遺跡や歴史的建造物がおおく、おそらくこの都市を近代化するときには障害になり壊されたものもあったでしょう。しかし日本人の目から見れば、これらの歴史的文化遺産のあるところは、広い範囲で大切に保存され、修復や再利用をすこしずつ進めているようでした。

 ヴァチカン教会のサン・ピエトロ大聖堂とフィレンツェの一番大きな教会ドウオモの天蓋に徒歩で登ってみました。ひときは高いたかみからの眺望は市街全体をみわたせます。見ていて気持がよく、きれいだなあーと感じる。現代の経済的尺度では、イタリアは衰えた国力との評価であるが、わたくしの感じたところは過去の遺産はやはり莫大だと思いました。

 日本にも古いものや新しいもの、文化遺産や歴史遺産が沢山ありますが、私が観たものはごく一部分です。足元にも一層目を向け、こころを豊かにして行けたらいいと思っています。


 上記の文章は、帰国後、何度かに分けてe-mailの仲間に書き送ったものの抜粋ですが、励ましや感想をよせられた方々に、この場を借りてお礼申し上げます。

(ロングステイクラブ会報36号への投稿文)


 

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