I・I (あい・あい)会報より、ネット上で公開できる事のみ、抜粋しています。

会報18号(2005年1月18日発行)より
 <会員投稿> 「ピアノ」我が家の場合 

息子が年長児だった頃、

知的障害のお友達のピアノのレッスンを見学させてもらう機会がありました。

息子にも習わせたかったけれど、その時は無理だと思いました。

歌が好きで、音楽が好きなだけではレッスンになりません。

  • 5分でいいから着席できる。

  • 先生の指さした楽譜や鍵盤を注視できる。

  • 簡単な指示がわかり、模倣できる。

  • 1〜5の数字が読める。

以上のことが必要だと思いました。

その後、ピアノのことはすっかり忘れていましたが、

5年生になる頃、1本指で知っている歌のメロディーを弾くようになり、

今なら楽しめると思い、ピアノを習い始めました。

その半年前に香川に引っ越して来たばかりで、

障害児に理解のある先生を知らなかったので、

妹のピアノの先生に音楽療法の先生の紹介をお願いしたところ

「私がやってみましょう」ということになり、早いもので6年目になります。

ピアノの大変なところは、

スイミングなどと違って、家で練習しなければならないことです。

レッスンに私も同席して先生の注意を一緒に聞いてきて、

家でも練習に付き合っています。

本当は毎日練習するのが一番ですが、

頑張らせてピアノが嫌いになっては困るので、1週間に4日ぐらい、

しかも「もう少し弾きたいのに」と思える腹6分目ぐらいでやめて、

ほめちぎっておきます。

あとは継続は力なりです。

だんだんとレッスンに適応できるようになり、

息子自身が「練習すれば出来るようになる」ということを経験から理解し、

上達するにしたがって美しい曲を弾く楽しみもあり、

近頃は以前より意欲的に練習するようになりました。

いままでに弾いた曲は、楽譜を見ながらゆっくりとですが、

エリーゼのために、結婚行進曲、トロイメライ、トルコマーチなどです。

楽譜は読めますが、何ごともゆっくり丁寧な性格と、

曲ばかりで指練習をしていないこともあって、速くは弾けません。

楽譜は「記号」なので、最初は大変でも

自閉症の子は必ず読めるようになります。

「暗譜」や「仮名をふる」のは楽ですが、

上達するにしたがって音の数が増えて、対応しきれなくなります。

長く続けるためには楽譜が読めることは大切です。

ピアノは、弾けなくても全然困らない「生きていくには無駄」なものですが、

息子と一緒にひとつひとつの曲を弾く過程を楽しんでいます。

バッハのインヴェンションを弾いていた時期もありましたが、

今はメンデルスゾーンの無言歌集に進みたいと思っています。

弾けば弾くほどやりたい曲ができてきます。

少しずつですが、まだまだ前進しています。

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