■cinema■

■チョン・ジニョン氏が出演された映画の、彼が演じた役柄を中心にして偏向的に(笑)ご紹介します。
 タイトルをクリックすると、各映画の画像がご覧になれます。  정진영님이 출연된 영화의 , 그가 연기한 역할을 중심으로 소개해 갑니다.  타이틀을 클릭하면, 각 영화의 사진을 볼 수 있습니다.


閉ざされた校門を開けて 닫힌 교문을 열며  ■ローザのために 로자를 위하여
カレイスキー 까레이스키           ■テロリスト〜哀しき男に捧げる挽歌〜 테러리스트
グリーンフィッシュ 초록 물고기       ■約束 약속
リング 링 바이러스             ■アウトライブ 비천무
ミラクル・サッカー 교도소 월드컵      ■ガン&トークス 킬러들의 수다
達磨よ、遊ぼう 달마야,놀자         ■ワイルド・カード 와일드 카드
黄山原 황산벌               ■達磨よ、ソウルへ行こう 달마야,서울 가자
チョルスとヨンヒ 철수♡영희        ■王の男 왕의 남자


閉ざされた校門を開けて 닫힌 교문을 열며(92)<先生 선생님>
□チョン・ジニョン氏の記念すべきデビュー作品。  但し、これはインディーズ時代の作品で未公開作品。私(webmaster)  は、運良くこの映画を入手。観賞済みです。  役は先生で、とあるデータベースでは、役名も先生となっていました  が、観賞時にラストクレジットを観たところ、「송 대진(ソン・デ  ジン)」という役名になってました。つまり、ソン先生ということに  なりますね。  韓国語音声のみなので詳細はわかってないのですが、映画雑誌cine21  のサイトにこの映画の映画評が載ってましたので、そこからあらすじ  を引用します。  --------------------------------------------------------------  ある高校の学校誌の編集委員である学生たちが、先輩たちの高校時代  体験を紹介するコーナーを企画・取材したが、その原稿が不順な(?)
内容を記しているという理由で弾圧受けることとなり、編集委員は停学処分を受ける。しかし学生たちは、自分達の権利を守ろ
うと、取材過程で判明した学校側の不当な教育現実に抵抗して登校を試みる。しかし、校門は固く閉ざされてしまう。
学生達の立場を守ろうとした教師も兔職処分を受けるようになってしまい、学生とその教師達は、土砂降りの雨に降られ、鉄の
城のように閉ざされた校門の前で絶望するようになる。
この事件が起こるまでは、自分の、安住を約束された現実に疑問を持ちながらもいたソン先生ではあったが、ついに反対する他
の先生達を振り離し、校門を開いて不当な処分を受けた学生と教師達を学校中に入れることにしたのだった。そして、やがては
共に笑顔で一団となって映画は終わることになる。
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過日、ジニョン兄にお会いした時に、直接この映画について伺ったところ、この映画が制作された90年代の初めは、実際の教育
現場でも現実に諸々の弾圧などがあった時期だったそうで、そんな中で、本当の意味の真の教育を行うことを志にした教育者
を応援するために作られた映画なのだと仰ってました。
そんな経緯の映画ですから、非常にメッセージ性の高いものとなっています。

この映画は、あくまで主人公は学生達のはずなんですが、もう実質的にジニョン兄が主役だと思っていいほど、彼が中心的な人
物になっているんですよ。特に、この画像にあるラストシーンなどは、まさに「ジニョン兄のための映画」といっても過言では
ないほど彼にとってはオイシイシーンで、インディーズとはいえ、これがデビュー作というのは、スタートとしてはかなり恵ま
れていたといえるでしょう。

ジニョン兄がこの映画に出ることになったきっかけはわかりませんが、彼は学生の頃から、結構社会派的な活動をされていたよ
うですし、今でも共鳴すればデモなどにも積極的に参加されているアグレッシヴな方ですから、そういったところで意気投合し
て出演を決めたのかもしれません。
それにしても…さすがに若いですね、写真のジニョン兄は〜(^^;)



ローザのために 로자를 위하여(94)<男 남자>
□韓国インディーズの雄、イ・ジサン監督作品。ジニョン兄にとっては  インディーズ作品出演の第2弾です。インディーズのせいか、ジニョ  ン兄のフィルモグラフィーにはほとんど載ってません。もちろん、一  般未公開作品。ラストクレジットを全部入れても20分足らずの短編映  画です。ジニョン兄は具体的な名前がない남자<男>役、登場人物も主  役のローザと彼、そしてチンピラ2人と通りすがりの中年男1人の合計  5人だけです。  「閉ざされた校門を開けて」に引き続き、この映画も韓国語音声のみ  なので台詞の詳細はわからないのですが、korea filmというサイトに  映画の作品紹介が載ってありましたので、そちらからあらすじを引用  します。(日本語訳は意訳です)  --------------------------------------------------------------  1人の男と1人の女がいる。彼らは一時、思想的運動をした者たちだっ  たが、今は敗北を自認し絶望する者たちである。
彼らは男の昔の仲間とその恋人の手紙を媒介で知り合ったのだが、お互いの名前も取り交わさないまま、ただ、体や気持ちが趣くまま
に野原で踊り、歌い、街の通りを走る。あるいは、旅館の部屋でセックスをする。そうして、行く先の道が見えない絶望感を、言語と
して成り立たない言葉と狂気の肉体で吐き出すのだった。
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ジニョン兄のフィルモグラフィーにもほとんど載っていず、さらにインディーズがゆえ、一体どこにあるかわからなかったのですが、
友達のたゆまない努力のお陰で(感謝です(^^))、この作品を保存している団体を見つけることができて、運良く手に入れ観賞する
ことができました。

それで内容は、というと…、いかにも「インディーズ」らしい映画と言わざる得ない作品だと思います。そういう言い方はとても曖
昧でわかりにくいと思いますが、この「ローザのために」という映画、作家である監督の頭の中を、ジニョン兄が演じる「男」を代
用して表現しようとしているんですね。非常に抽象的で、20分足らずでは、何が言いたいのか凡人にはとてもわかりません(笑)。
抽象的な作品だからこそ、20分もあれば充分とも言えますが。
現に監督のコメントで「絶望と時代の痛みを描きたかった。終わりの見えない深い絶望、涙を流すのは人間だけではない、映画にも
涙を流すことができるのだということ、ある一時代の雰囲気を収めた映画を一編作りたかった」とあったのですが、それでわかるよ
うに限りなく観念的です。

こういった作品は、映画に限らず日本でも20年以上前に流行りましたよね。「パフォーマンス」って呼ばれていたものですね。
(ああ、そういう例えをしている私(webmaster)の歳がばれる(^^;))。何か懐かしい感じがするのは私だけ?(笑)。
ヘタをすると、他人の理解を拒絶した、とても独りよがりで自己陶酔なものになりがちです。ある意味、実にインディーズらしいで
すね。私個人は決して嫌いじゃないですけど(^^;)。

ともあれ、ここでのジニョン兄は、突拍子もなくいきなり踊るわ歌うは叫ぶわ走るわという行動を見せてくれます。今で見たことも
ない、これからも見ることもないジニョン兄が堪能できるという意味では貴重な映画だと言えるでしょうね。



カレイスキー 까레이스키(94)<ボリス 버리스>
□94年に韓国の民放局MBCの開局記念として放映されたドラマ。  ムン・ソングン、ハン・ソッキュ等、今をときめく俳優さんが出てい るのですが、実はそれ以上の情報がありません。  MBCの開局記念で制作されたものならば、本来なら大した冠がつくは  ずなのですが、ジニョン兄のフィルモグラフィーにも載ってないどこ  ろか、不思議なことに他の俳優さんのフィルモグラフィーにもほとん  ど載ってないという、誠に謎だらけのドラマです。あるいは何かトラ  ブルでもあったのかもしれませんが、それは計り知れません。    このドラマのタイトルの「カレイスキー」というのは、第二次世界大  戦の終了直後までロシアとの国境沿いで暮らしていて、その後故郷に  帰れずロシア国民になってしまった朝鮮族のことだそうです。  ジニョン兄の役は「ボリス」という名で、中心になっている家族の娘
婿で、大学時代から演劇をやっていて、そのまま移動劇団で食いつないでいるような設定でした。で、大学時代の恩師がムン・ソング
ンがやっている役ですから、歴代の「それが知りたい」の進行役が共演していることになりますね(笑)。

わかりうるあらすじを以下に紹介しますと…
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日帝時代の朝鮮で、ある女教師と大学生が密かに慕い合っていて、ある日この女性に興味をもっていた成金青年とその大学生がつかみ
合いとなり、誤って学生が成金に目に怪我を負わせてしまい、「殺した」と勘違いした二人は、彼女が機転をきかして成金に乱暴され
かかったふりをして学生を逃がす。
 しかし、学生がバイトをしている日本人の経営する店に立ち寄ると火事で、朝鮮人嫌いの奥方から放火犯呼ばわりされ、ここも逃げる
羽目になる。独立思想の友人の手引きでロシア領土に入り、そこで結局別の家庭をもつことに。 

彼女のほうは、村にいられなくなり街にでてきて、追ってきた成金に拉致されかかったところを恋人の友人に助けられ、その彼ととも
にロシア領土に入った愛しい人を探しに行く。 
彼女も紆余曲折をへてやっと恋人に会うがそのときはもう彼には別の家庭があって、その後、ロシア領で政府高官にのぼりつめていく。
ところが、立場上、元彼に会う機会も多くて次第に不倫の関係に。
 
その後、ロシア政府の方針で朝鮮族は肥えた土地から未開墾の奥地に強制移動させられ、おまけに彼自身は思想的な理由で収監され、
そこで死んだと思われていて、家族とも彼女とも長年の間不通になっていた……。
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このドラマ、もともとハン・ソッキュファンの友達がハン・ソッキュが出ているというので手に入れたものなのですが、中味を開けて
みると、なんとジニョン兄も出演していた(しかも皮肉なことにハン・ソッキュより出番が多い(笑))ということで教えてくれた、
全くサプライズの、偶然でとても貴重なものなのです。
全22話のドラマのうち、ジニョン兄が出ているのは10〜12、18〜22話です。確かになかなかの出演ぶりです。

ちなみにハン・ソッキュは成金息子の役だそうで、このドラマでは、ハン・ソッキュ、ムン・ソングン、そしてジニョン兄の3人が
一堂に会しているので、まるで「グリーン・フィッシュ」の番外編を見ているようで面白いです。

10年以上前の作品ですので当たり前なんですが、みんな若い若い!
大河ドラマ的だからなのか、俳優の演技が新劇的で結構大袈裟です。メイクも舞台メイクっぽいです(特に女性)。
その辺が古さを感じます。ジニョン兄の「青く」新劇的な演技は、正直、観ている方が恥ずかしくなるところもあります(^^;)。
…も、もしかして、そんなものを見せたくないからって、だから公表せずにひた隠しにしていたのかしらん?
(だとすると、私はとんでもない重罪を犯したことになりますね(^^;))

ドラマが長いせいもあって、ジニョン兄がいろいろな衣装やヘアスタイルでたびたび登場します。まるでコスプレ状態で(笑)、その変
化をみるだけでもファンにとっては興味深いので、別の意味で楽しませてももらってます(ああ、ジニョン兄、ごめんなさい。不埒な
ファンの私(webmaster)をどうか嫌わないで下さい…(^^;))



テロリスト〜哀しき男に捧げる挽歌〜 테러리스트(95)<タルソン 달선>
□現在、カリスマ俳優として認知されるようになったチェ・ミンス主役  のアクション映画。孤独な男が、巨悪な社会に1人立ち向かう様を描  いている。  孤児のサヒョンとスヒョンの兄弟。彼らは警察官になる夢を持って成  長しソウルへ上京した。兄サヒョンはソウルの警察庁で出世街道を走  っている。一方、弟のスヒョンも警察学校を主席で卒業し、2人とも  前途洋々と思われた。しかしスヒョンは、卒業後の初めての勤務地で  起こった事件で過剰防御とみなされて懲役刑を宣告されてしまう。 3年の刑を終えて出所してきたスヒョンだったが、今度は友人サンチ  ョルを犯罪組織に巻き込まれて失ってしまう。  自分の夢と友人を失ったスヒョンは、暗黒街の組織のボス、イム・テ  ホと無法で歪んだ世の中に復讐するためにテロリストに化すことに決  心する…。
この映画でのジニョン兄ですが、実はほんの少ししか登場しません。タルソン<달선>という役名がちゃんとあり、サンチョルの
幼なじみという設定で台詞もありますが、出てくる場面は2ヵ所だけ。しかも合計しても数分しかありません。ぼーっと見てた
りちょっと居眠りでもした日には、見逃してしまうぐらいです(泣)。最初の登場が全部ブラインド越しだし、おまけにこの
頃のジニョン兄は若いのでちゃんと観ていても気がつかずに見過ごしてしまいそうになります(苦笑)。

ジニョン兄演じるタルソンは、サンチョルの幼なじみで雀荘を経営しています。それで行き所がなくなったスヒョンを匿う部屋
を提供するために登場するのですが、スヒョンに対して「狭いところだけどゆっくりしていってよ」とにっこりと明るくフレン
ドリーに(笑)接します。

それにしても、ジニョン兄の若々しい姿、とても新鮮です。服装が卒倒しそうなほどダサいのですが(…言っちゃった(^^;))、
ジニョン兄の記念すべき初のメジャー作品なので見逃すことはできないでしょう(く、苦しい…(^^;))



グリーンフィッシュ 초록 물고기(97)<三兄 셋째형>
□イ・チャンドン監督ハン・ソッキュ主演の、あまりにも有名な映画。  ハン・ソッキュ演じるマクトンの家族と彼がはまり込んでいくやく  ざの世界を同時進行させながら、やがてひとつに混ざり合う。その  結末にはただただやるせなさが残る。しかし、登場人物のひとりひ  とりをとても丁寧に描いているフィルムノワールの傑作。  さて、ここでのジニョン兄の役は「三兄」。具体的な名前はないけ  ど、他の兄弟もすべて、長兄、次兄、マクトン(末っ子の意味)と  なっていて、要するに個々の名前が重要なのではなくて、家族とし  てのそれぞれの位置を重要視しているってことなんでしょう。  (その後、韓国語の台詞で三兄の名前はキム・ヨンチョルと判明。  詳しくは【Do you remember?...'Green Fish'】を参照下さい。)  その「三兄」は通称「卵売りのおにーちゃん」です。  ハン・ソッキュ演じるマクトンのすぐ上の兄で、歳が近いので、兄  弟の中でも一番仲がいいんですよ。実際はハン・ソッキュとジニョ  ン兄は同い年なんですが(笑)。
そのせいか、卵売りのおにーちゃんとマクトンが一緒に警察に悪さしたりする場面なんて、本当に嬉しそうに生き生きとやって
ます。いたずらっ子の兄弟がそのまま成長した感じですね。

ここでのジニョン兄は地毛のまんまのクリクリ天然パーマです。本当にそこにたまたまいて、そのまんまの状態で出演している
みたい。実は、それは決して外れてもいなくて、もともとこの映画では、彼は役者として出る予定は全くなくて、演出部の助監
督のひとりとして参加する予定だったのです。(ラストクレジットにも助監督のひとりとしても名前がクレジットされていて、
メイキングでは「助監督なジニョン兄」がちらっと映ってます)

この映画には、この頃ジニョン兄が役者を諦める決心をして、演出とシナリオの勉強のため参加したのですが、それなのに、撮
影の1週間前に急に監督から役者として出演するように言われたのだそうです。
彼は正直戸惑ったそう。せっかく役者を諦める決心をしたというのに…ってところでしょう。しかし、そのお陰で今の彼がいる
のですから、人生って本当にわからないもんです。

ともあれ、ここでは役者として、家族の絆を大切にするお兄ちゃんの役をきっちりやってます。急にやるようになった役どころ
でしたが、とても重要な役ですね。

ところで、映画ではカットされていてメイキングのみの収録ですが、最後の場面でマクトンが殺られたのはソン・ガンホ演じる
パンスのせいだと乗り込んでいくシーンはなかなか圧巻で見ものです。(ガンちゃんとの共演だったのに、ざんね〜ん(T_T))
メイキングでは、そのカットされたシーンが、リハから本番までやたら詳細に収録されています。それほどの詳細になんだか妙
な贔屓を感じていたのですが、最近、ケーブルTVで放映された「グリーン・フィッシュ」の特集でようやく判明しました。

以下、その番組の内容の抜粋です。
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カットされた兄たちの復讐のシーン。

イ・チャンドン監督――主人公が死んでも映画は終わらない。弟を殺された兄たちはその怒りが収まらない。しかし、韓国で生
きてきた平凡な人々に、復讐などできるだろうか。どんな風に?できやしない。復讐を当然に思う世界、それが映画なんだ。
だから、この映画ではその期待を裏切ってみた。

兄たちは、マクトンが殺害を犯したクラブを訪ね、そこの組員とケンカになる。しかし、テゴンではなくヤンギルの部下に復讐
する。厳しい撮影の甲斐もなく、このシーンは使わないことに。

ユ・ヨンギル撮影監督――その日はとても寒かった。レールが凍ってしまって。水道も凍って使えなかった。雪も降っていたが、
無理をして撮ったんだ。役者は大変だっただろう。あんな寒い日に秋の衣装で撮影をしたんだ。なのに、あの部分を切った。
つらかったよ。

イ・チャンドン監督――話の流れ上、そのシーンを入れて観客に私の意図を伝えようとするのは欲ばりすぎるのではないかと。
観客をいじめたくないと思って外すことにした。個人的に好きなシーンだから寂しかったよ。




約束 약속(98)<オム・ギタク 엄기탁>
□パク・シニャン、チョン・ドヨン主演の、シンシネ創立10周年記  念に作られたド催涙映画。  パク・シニャン演じる組織暴力団のボス、コン・サンドゥとチョン  ・ドヨン演じる女医チェ・ヒジュの、まさに運命的な出会いと愛を  描いている。立場も身分も違う男女が運命的に出会うってことはあ  まり現実的ではないが、非現実だとわかっていて、あえてその世界  に浸れるメロメロ恋愛ドラマに仕上がっている。  ここでジニョン兄が演じるのは、やくざのボスの右腕(no.2)のオム  ・ギタク。年齢からすると、オム・ギタクの方が年上なんだけれど、  ボスに忠誠を誓っていてボスからも厚い信頼を得ています。  このオム・ギタク、ヘアスタイルが長髪のポニーテールで、そのポ  ニーテールの様子が映画「デスペラード」の主演のスペイン人俳優  アントニオ・バンデラスにとても似ています。これが本当に似合っ  て素敵なんですね〜。  体もとても精悍で、ばっとシャツを脱ぐシーンがあるんですが、思  もわず「おおっ!」と声をあげそうになります(バカね(笑))。
まさに  ☆★☆ アタシ、脱いでもスゴイんです ☆★☆(すみません、誰か止めて下さい)

で、その役での彼のボスに対する忠誠心はとても厚く、それゆえ、最後までボスのためにその身も捧げてしまうわけです。
 (こう書くと意味深だな〜^^;)オム・ギタクがボスの身代わりになるところでのその気迫たるやすごいものがあって、人間関係
の結びつきの強さは、血のつながり云々は重要ではないと思わせるところがあります。あるいは、ボスが恋した女性にあの手この
手でアタックする様子を苦笑いしながらも、ついつい世話を焼いてしまっている様を見ていると、駆け引きなく本当にボスの純粋
な人間性に惹かれてついていっているのだということがよくわかります。

そんな演技が認められて、ジニョン兄は、この映画のこの役で98年の青龍賞と大鐘賞の助演男優賞をそれぞれ受賞してます。
ちなみにこの映画の監督はキム・ユジンで、これから5年後の「ワイルド・カード」につながっていきます。
残念ながらこの映画は未公開作品です。映画祭などでも一度も上映されたことがありません。韓国版は韓国語音声のみのDVDが発
売されてます。



リング 링 바이러스(99)<チェ・ヨル 최열>■

□いわずとしれた、鈴木光司原作の、あの「リング」の韓国版。「リング」
 公開時、韓国では日本映画を公開することが禁じられていた時期であっ
 たため、韓国版として作られた作品で、日本の製作会社が出資し、韓国
 人スタッフ、韓国人俳優をキャスティングして作られた。
 ここで彼が演じるのは、優秀ながらも、その偏屈さで医学界で異端され
 ている脳外科医のチェ・ヨル。

 姪のサンミの死に疑問をいだいたジャーナリストのホン・ソンジ(シン・
 ウンギョン:写真左)が、発表されたものとは異なる死因を唱えている
 チェ・ヨルの存在を知って訪ねるが、彼は非常にシニカルで冷笑的に彼
 女に対応し、その興味だけでウィルスに感染した彼女と同じようにわが
 身を持っていき、ゲームのように楽しみ始める…。
 このチェ・ヨル、本当に憎たらしくて、ジニョン兄の演技だとわかって
 いても見ていて腹が立つほど。まさにしてやられたという感じです。
その氷のようにクールな存在感は圧倒されます。ただ、もしこんな人が実際そばにいたら、絶対友だちにはなれません。すんごい
嫌な男ですもん。映画鑑賞だけで充分です(笑)。でも、それほどまでに人に嫌悪感を起こさせるというのは、彼が演技者として
この映画で成功しているということでしょう。

この映画、03年の東京国際映画祭でリメイク映画特集の中のひとつとして上映されました。版権の関係で、残念ながらその上映が
最初で最後だったのだそうです。この映画が製作された事情が事情なので、当然日本ではビデオリリースもありません。但し、や
や古い作品にも関わらず、韓国ではDVDも発売されていて、珍しいことに日本語字幕がついてます。しかも、リージョンALLです。
韓国で発売されているDVDで日本語字幕がついているものはアヤシイ日本語訳が多い(でも、違った意味では楽しめる)のですが、
この映画の日本語字幕はかなりまともでした。なので、日本人にとってはちょっとお得感があります。

ちなみにこの映画、日本版が上映できないという理由で作ったせいなのか、日本版にかなり忠実に作られてます。それゆえ、オリ
ジナリティには欠けると思いますが、逆に間違い探しのように(笑)見比べるのも一興かと思います。



アウトライブ 비천무(00)<ナムグン・ジュングァン 준광>
□韓国の3大女流漫画家のひとりであるキム・ヘリン原作「飛天舞」
 の映画化。  高麗遊民「ユ」一族の子ジナと蒙古の将軍タルガ一族の娘ソルリの
 身分違いの愛、剣の秘伝書「飛天神記」をめぐっての蒙古族、漢族、
 高麗族の勢力争い、友情や運命を描いた大河ドラマ。  韓国と中国が共同投資し、撮影の90%を中国・上海のロケで行われた。  香港の有名武術監督が率いるチームを迎え入れて華麗なワイヤー・  アクションを演出したり、CGはアメリカのILMが担当するなど、視  覚的に見ごたえのある作品に仕上がっている。  さて、この映画でジニョン兄が演じるのは、ひょんなことから主人公  ジナと固い友情を育むことになり、結果的に、それゆえに運命に翻弄  されることになる、漢族の名家南宮(ナムグン)家の嫡男俊光(ジュ  ングァン)です。
いきなり私事で申し訳ないのですが、この映画のジニョン兄が演じるナムグン・ジュングァンが、“ジニョン兄転び”(何だそれ?)
の実質的なきっかけでございました。

この映画、その評価には賛否両論があって、私も映画の出来としては個人的にはあまり評価してないのですが(…あ、言っちゃった)、
逆にだからこそ実にツッコミ甲斐のある映画でして、最初の頃は映画を観ながら、いちいちツッコんではゲラゲラ笑っていたもので
した。
それがある日突然、このジュングァンのキャラの魅力に取り付かれてしまって、それからというもの、“止まらない電車”に乗って
おります。まさに“ミイラ取りがミイラになる”とは私(webmaster)のためにある形容なのだと痛感してますよ、ええ(笑)。

若い頃のジュングァンは、それこそ赤面するような振る舞いなのですが、ジナと出会って、ジナと剣でもソルリをめぐる恋愛でもラ
イバル的存在になってからのジュングァンの内面の変わり様は、目を見張るものがあります。それは決して派手ではなく、むしろ地
味ですが、確実な変化なのです。

自分がめとった妻なのに、妻は以前から、そしてこれからも自分を決して見てはくれない、しかも妻の視線の先は自分の親友である
という皮肉。その現実をじっと静かに受け止め、さらにそっと影ながら見守る。その気持ちが痛いほど伝わってきます。
まさに、ジニョン兄の、抑えた自然な演技の賜物ですね。

それだけに、この映画が不完全燃焼的な脚本になっているのが、本当に惜しいと感じるのは私だけでしょうか?
マンガの原作も読みましたが、原作は、それこそ骨組みや時代背景、キャラの構築もしっかりしているだけに尚更です。

ちなみに、この映画でのジニョン兄のコスプレ姿のあまりにものハマり様にも魅力を感じていることも付け加えておきます(笑)。
まさに「コスプレ俳優」(…って勝手に名づけてるし(^^;))の名に恥じず、以降の、ジニョン兄の映画での名コスプレぶりは、特
筆すべき重要事項となりました(笑)。もちろん、大いなる褒め言葉ですのでお間違いのないよう〜(^^)

この映画は、日本では03年新春に劇場公開されました。DVD、ビデオともに発売されてます。



ミラクル・サッカー 교도소 월드컵(00)<パンジャン 빵장>
□刑務所とサッカーという、無関係と思える2つの素材を合体させた  奇想天外のヒューマン・コメディ。  国連人権委員会が「自由・平等・和合」をスローガンをもとに、刑務  所ワールドカップを提案。韓国政府は、全国43の刑務所から16チーム  を選抜し、国内予選に勝ち抜いて優勝したチームをアメリカで開かれ  る第1回刑務所ワールドカップに出場させることを決める。  韓国代表選抜戦の16番目に選ばれたウォンジュの刑務所の、合計前科  75犯、平均前科6犯、平均年齢40歳の面々(笑)は、優勝すれば減刑な  ど夢のようなご褒美をもらえると聞き、俄然張り切って猛特訓に耐え、  試合に挑む。ハチャメチャな試合と信じられない展開で、とうとう決  勝まで残ることになり、ソウル刑務所チームとの試合を迎えることに  なる。
この映画でのジニョン兄は、唯一の死刑囚である服役9年のパンジャン。その執行が今日か明日かも知れない中で服役しています。
そんなギリギリの状態で毎日を過ごしているうちに達観してしまったのか、すっかり不敵な性格となってしまい、毎日、作業以外
は昼寝ばっかりしてます。つまり映画中、ほとんど動かず、寝転んでいるシーンがほとんどです。セリフもすごい少ないしね。
ま、お陰で、色んな寝姿のジニョン兄が観られる貴重な作品ではありますが(爆)。

たま〜に、ぼそっと一言二言セリフを言うくらいですね。寡黙も寡黙。そういう意味では、ジニョン兄のカリスマな部分が一番出
てる映画だということが言えるかもしれません。

とにかくこの映画、色んな意味でマニアックな映画だといえると思いますよ。
恐らく、この頃行われた日韓のワールドカップを記念して(?)制作された映画だとは思うのですが、その割には着眼点が変わって
いるし、出てくるキャラはみんなむくつけきおやぢばっかりで(しかも、どうみても清潔感のない人ばかり(^_^;))平均年齢はムチ
ャクチャ高いです。
そう、いわゆる「ヒーロー(主人公)」がいないんですね。考えようによっては、みんなが主人公だという言い方もできますが。
そして、内容はコメディなんですが、その展開ぶりもハチャメチャです。まさに素っ頓狂という言葉がぴったりな、かなり風変わり
な映画ですね。

そんな中においてのジニョン兄も、実はこの映画でしかお目にかかれない数々のシーンがございます。もしかして、最初で最後(?)
のベッドシーンとかね〜。うふふ(意味深?)
そういう意味では、ジニョン兄ファンとしては、なくてはならない映画だといえるでしょう。
寡黙で寝転んでばかりのパンジャン役のジニョン兄ですが、明日にも死を迎えるかもしれない死刑囚という立場の微妙な心の動きや
ドライに見えても実は優しさを持っているキャラをしっかりに演じてますので、そこも要チェックです。

この映画は、日本ではビデオのみがリリースされてますが、すでに廃盤となっているかも?なので、現在ではほとんど見つけられ
ない可能性大です〜(^^;)。



ガン&トークス 킬러들의 수다(01)<チョ検事 조검사>
□「あなた、殺したい人いますか?」  大都市ソウルで、誰かが望む密かな「殺しの願い」を叶えるべく、4  人のプロの殺し屋が奔走する…。殺し屋とその依頼人、そして彼等を  追う検事が繰り広げるエピソードを寓話たっぷりにスタイリッシュに  描くアクション・コメディ。「韓国の三谷幸喜」といわれる(えっ?)  チャン・ジン監督作品。  リーダー格で営業担当のサンヨン、凄腕の冷静な狙撃手ジェヨン、爆  弾・爆薬の専門家のジョンウ、コンピュータ操作担当のハヨン…。  彼らは専門的な最高の殺し屋で、自分たちの存在は時として警察や法  より必要だと考えている。日々、依頼人からの殺しの仕事を完璧にプ  ロフェッショナルにこなす彼等だが、日常では女性に恋するなど人間  くさい一面も持つ。そんな彼らに、ある事件がきっかけでチョ検事が  捜査網を狭めて近づいていき、彼らの追撃をし始める…。
この映画でのジニョン兄の役は、いわずとしれた(?)チョ検事です。常に冷静沈着で頭脳明晰な「国のメシ」を食べる検事役は、
まさに彼の得意とする役どころでしょう。実際、実にカリスマ的な怪演ぶりです。この映画だけじゃなく他の映画でも何かと共演
で縁がある、シン・ヒョンジュン演じるサンヨンとチョ検事との掛け合い漫才のようなやりとり(笑)は、この映画の魅力のひとつ
といっても過言じゃないと思います。

何が起ころうとも冷静沈着なチョ検事ですが、なぜか「冷たく」ないんですよね。まじめがゆえにやることが逆に可笑しさにつな
がる面白さがあるほどです。特にこの映画のファンには有名(?)な、ファイに「お願い」されてファイの子供の父親の男をボコ
ボコにするシーンなどは「愛すべき暴力シーン」(笑)とあえて言わせていただきましょう。

そう、この映画に出てくる人はみんなチャーミングで人間くさいキャラばかりです。それぞれが色んな色があるのに、どこかすっ
とぼけていたりする。それがとても魅力的に描かれているのです。どのキャラも「キャラ立ち」しているんですね。
シリアスな部分でも重厚に押し付けることなく軽やかで、人を食ったようなところがあるけれど、それがチャン・ジン監督の作品
の魅力で、ここでは全開モードです。個人的にチャン・ジン監督の作品のファンである私(webmaster)ですが、この作品が一番完
成度の高い作品と思ってます。あらっ、すっかりチャン・ジン監督作品賛歌になってしまいましたね(^^;)。

ところで、この映画はウォンビンが映画初主演ということで話題になりました。それが日本でのこの映画の一般公開の後押しにも
なり、そして公開されることで一般にこの映画が知られることになりました。と同時に、それがジニョン兄の日本での知名度が上
がったことになったと言える記念すべき映画だと思います(^^)。
そういった意味では、ジニョン兄ファンはウォンビンに感謝しないといけないかもしれませんね〜(笑)。

この映画は、日本では、03年に劇場公開され、現在、DVD、ビデオ共に発売されています。



達磨よ、遊ぼう 달마야,놀자(01)<チョンミョン僧 청명스님>
□抗争の末、突然山寺に逃げ込んできた組織暴力団“ジュギュ”一味と  彼らから寺を守ろうとする僧侶たちの対決を描いたコメディ映画。  とりあえずの身の安全を確保するために寺に留まりたい暴力団員と寺  の静寂を取り戻したい僧侶たちが、花札や潜水などで正面対決の勝負  を繰り広げていく。  僧侶たちと暴力団員が共に奇妙な修行生活をしているある日、“ジュ  ギュ”一味を探す別の暴力団たちが山寺にやってくる…。  この映画でのジニョン兄の役どころは、ノス老僧を師と仰ぐ僧侶の中  でのリーダー格となるチョンミョン僧です。
僧侶なのに思いっきり武道派。別に特にモムチャン(体躯がいい人のこと。つまり“いい体”ってやつですね)ってわけではな
いんですが、相変わらずアクションさせると動きのキレがいいです。一体ストイックな僧侶の修行生活でいつ鍛えているんでし
ょうか(笑)。仏教の修行に中国に行ったことがあって、それでその時に体も鍛えたのかもしれません。そう言えば、前世は中国
で飛んで跳ねるナムグン・ジュングァン(by飛天舞)でしたね〜(笑)。

冗談はさておき、聞いた話ですが、この映画での僧侶という役作りのために、ジニョン兄は、夜も釜山のホテルに宿泊しに帰ら
ずに、ロケ地である金海でのお寺(銀河寺)にずっと1人だけ寝泊りしていたそうです。役同様、役作りもストイックですね。

さて、この映画を含めた過去3作品(「ミラクル・サッカー」、「ガン&トークス」、「達磨よ、遊ぼう」)、ずっとコメディ
映画が続いてますね。いずれもコメディという同ジャンルとはいえ、毛色はそれぞれ違いますが。

何かのジニョン兄のインタビューにあったのですが、本人いわく「自分は、コメディ映画の中では自らが動き回る役目ではなく、
真面目なことをしているが故に逆に可笑しさが出るという役回りが合っている」と自覚しているそうです。まさにその通り!
顔や態度をオーバーアクトして笑わせるのではなく、意図的でなく真面目に向き合っているからこその自然な面白さとでもいう
のでしょうか。この映画でもコメディの中での派手さはないけれど、なくてはならない存在としての自分のスタンスを確立して
ますね。

理屈っぽいことはともかく、映画自体はな〜んにも考えずに僧侶と暴力団員が実にバカバカしいことを真面目に競い合っている
様を、気軽に楽しめる映画になっています。

ちなみに、この映画の公開日を韓国の修学能力試験(日本の大学の共通一次試験にあたる)終了直後に意図的に持ってきたらし
いですが、それが見事に的を得て大ヒットしたそうです。いやあ、見事な商売っぷりですなあ〜(笑)。

この映画は、02年東京国際映画祭共催の「コリア・シネマ・ウィーク」で日本初上映されましたが、それっきりです。
今現在、その後のビデオリリース等の発表はありません。



ワイルド・カード 와일드 카드(02)<オ・ヨンダル刑事 오영달>
□ソウルの江南警察署の管轄内の地下鉄構内で起きた殺人事件を追う刑  事係強力3班の刑事たち。その中に凄腕のオ・ヨンダル(ジニョン兄)  と若く情熱は人一倍のパン・ジェス(ヤン・ドングン:写真中央)の  コンビがいる。日々、捜査に明け暮れる毎日だが、しかし、彼らをも  ってしても、なかなか犯人の手がかりを掴むことができない。  彼らの焦燥感をよそに、似た手口の第2の殺人事件が起こってしまう。  これ以上の犠牲を出してはならぬと強力班が総力をあげて捜査をして  いたある日、オ・ヨンダルとパン・ジェスは暴力団“ト・サンチュン”  の組織網をきっかけに不審人物を探し出す。  逃げる犯人を前に銃を発砲しようとしたパン・ジェスに、オ・ヨンダ  ルは「銃ですべての事件は解決しない」と諭し制止する。そのため、  結局は逃してしまう。被害者のことを思うと簡単には納得できないパ  ン・ジェスだったが…。  ここでのジニョン兄は、中堅の凄腕刑事のオ・ヨンダルを演じます。
この映画の監督はキム・ユジン。そう、ジニョン兄が一躍世間に知られるようになった、あの「約束」の監督です。「約束」
はジニョン兄にとって色々な意味で特別の作品ですが、その作品の監督のもとでの再びの出演です。信頼関係がある監督のも
とでだからなのか、ジニョン兄は実に自然にオ・ヨンダル刑事を演じてます。
また、彼だけでなく、この作品でのすべての登場人物がキャラ立ちしていてリアリティのある魅力のある人物ばかりなのです。
実に泥臭い。でもそこがいい。それは制作するにあたって、事前に韓国の警察のリサーチを綿密にしているからなのでしょう。

それにしても、この映画でのジニョン兄はかっこいいです。「かっこいい」などという安易な言葉で表してはいけないのかも
しれませんが、実に男気があります。コンビの相棒であり後輩であるパン・ジェスに対しての接し方、刑事としての自分の立
場をその経験から自覚して仕事をしている姿…。時に893さんと紙一重な態度だったりしてますが(^^;)、先輩刑事としての貫
禄や存在感があります。アクションも相変わらずキレがいいですしね。やっぱり、「人間としてかっこいい」という言葉が一
番あっているかな〜。

そうかと思えば、自分の家族への愛情溢れる優しさがにじみ出ていたり、「目力」を駆使して説得するお茶目なシーン(笑)も
あります。いつも口をへの字にして苦虫をつぶしたような顔で紫煙をたゆたわせているところ、それら全部含めて、とても人
間くさい魅力に溢れたアジョシ(おじさん)を軽やかに演じてますね(え?褒めすぎ?(笑))。

この映画、正直言いますと泥臭く地味ですので、1回観ただけではその魅力がわからないことが多いのではないでしょうか。
でも、何回も観ることによってじわじわとその魅力を感じることができる「するめ」のような作品だと思っています。

この映画は、03年東京国際映画祭共催の「コリア・シネマ・ウィーク」(KCW)と05年の韓流シネマフェスティバルの
2度にわたって日本で上映されました。



黄山原 황산벌(03)<キム・ユシン 김유신>
□高句麗、新羅、百済3国の紛争が絶えなかった660年、娘の仇である百  済のウィジャ(義慈)王に恨みを抱く新羅のキム・チュンチュ(太宗  武烈王)は、唐と連合軍を結成して、キム・ユシン将軍(ジニョン兄)  に唐の司令官であるソ・ジョンバンとの交渉を命令する。年齢の差で  何とかしようとするキム・ユシンだが、わずかの歳の差でソ・ジョン  バンに押されて、結局、7月10日までに朝貢を調逹することになった。  しかし、沖合いまで朝貢を運搬するには、宿敵ケベク将軍(パク・チ  ュンフン:写真左)が率いる百済軍を突き抜けなければならない。唐  船は朝貢を受け取るべく、沖合いで待機しいる。  新羅軍が南下してきているという情報を得た百済のウィジャ王と重臣  たちは、新羅と唐国が百済を挟み撃ちにするという不安に襲われる。  ウィジャ王に敵愾心を持つ重臣たちが自分達の軍隊を出すことを拒否  したため、ウィジャ王は最後の忠臣であるケベク将軍を呼ぶ。「無言  の酒5杯」を受け、黄山原の死守を依頼されたケベク将軍は、命捧げ  て戦うために、自分の一族を皆殺しにして黄山原へ向かう…。
この映画でのジニョン兄の役は、韓国の歴史上の人物としては知らない人はいないくらいの有名な新羅の将軍、キム・ユシンです。
この有名な新羅のキム・ユシン将軍と百済のケベク将軍がそれぞれの出身(全羅道vs慶尚道)の「方言」丸出しでお互い戦ってみた
らどうなる?
そう、この映画は歴史コメディ映画なんです。しかも、現代の政治を風刺する異色作なのです。とはいえ、シニカルで暗い感じは
ありません。

見事にむくつけきアジョシ(おじさん)しか出てこない映画で(女性はケベク将軍の妻と最後に出てくる年老いたお母さんくらい)、
暑苦しいというか何と言うか…(^^;)。そのおじさん達がみんなして、やたらノリノリで楽しくはしゃいで演技してます。

戦いの時にそれぞれの軍の応援合戦があって、まるで「やーい、やーい、お前のかあさん、出べそ〜♪」って言い合っているよう
な感じ(笑)。相手に向かってお尻を出したりしてるし、もうハチャメチャですね〜。
他にも、相手の隠語の部分がわからず、それを説明する時に「ナニがナニしてこうなって…」と分析しているシーンや、相手の将軍
の口真似をして伝えている場面があったり。
そういった部分では散々笑わせているけど、将棋やチェスの駒どおりに人間を動かして戦いをしているところなどは強烈な現代の風
刺ですし、そうかと思えば泣かせるところもあったりして、結構メリハリが効いてます。

ここでのジニョン兄は、見事にサトゥリ(方言)丸出しでしゃべっている(らしい)のですが、特に前半などは、その様がすっとぼ
けた感じで飄々としていてなかなかいい味を出してます。

方言だらけで、ただでさえわからない韓国語がほとんど壊滅状態ですが(^^;)、意外にも言葉や史実がわからなくても充分楽しめる
映画です。
とはいえ、日本人にとっては正直、馴染みがなさすぎてマニアックの最右翼だと思うので日本での公開は絶対無理だろうと思われる
映画です。
・・・などと思っていたら。
なんと!05年のシネマコリア映画祭で上映されました!!(悲願!(T▽T))
いやあ、人間、長生きするもんですね〜(笑)。



達磨よ、ソウルへ行こう 달마야,서울 가자(04)<チョンミョン僧 청명스님>
□2001年に公開されて大ヒットとなった「達磨よ、遊ぼう」の続編。  暴力団たちと別れて早3年。チョンミョン僧たちは、ソウルの無心寺  にノス老僧の遺品を渡すためにやってくるが、無心寺の和尚は5億ウ  ォンの借金を残して去っており、あとには数名の僧侶たちだけで寺を  守っていた。寺のあちこちには差し押さえの札が貼られており、そこ  にまた暴力団が押しかけてくる。無心寺を守るためにチョンミョン僧  たちは寺に残ることになる。  無心寺を助けるために法話会のちらしを作って広報を行い、法話会も  盛況し信徒も取り戻すが、しかし法的にすでに無心寺は大陸開発に所  有が変わってしまう。  そんな中、テボン僧(イ・ムンシク:写真右)が買った宝くじが300億  ウォンに当選する。だがその宝くじの領収書はや暴力団たちが持って  行ってしまった仏前箱の中に入っていることがわかる。寺の再建をす  るため、仏前箱を取り戻そうと色々なゲームで勝負をかけるが…。
「達磨よ、遊ぼう」の続編ですので、当然ジニョン兄は引き続きチョンミョン僧としての登場です。ヒョンガク僧(イ・ウォ
ンジョン:写真左)、テボン僧とともに善玉(?)僧侶トリオですね(笑)。今回はその僧侶トリオに無心寺の若手の僧侶が加
わった4人で悪玉やくざさん4人組に挑みます。

内容はといえば、「達磨よ、遊ぼう」の続編だけあって、前作の流れを汲んで善玉と悪玉が他愛のないゲームで競い合うこと
や、すったもんだ状態は同じような調子ですね。とはいえ、前作と監督が違うせいか、やはり雰囲気は違います。前よりはよ
り“スラップスティック”(ドタバタ)度が増している気がします。
それと、前は僧侶vsやくざの世界だったのが、今回はさらに、ソウルという都会と、都会と切り離せない「金銭」などに絡む
物欲が渦巻く俗世を加えていることでしょうか。
前回のイメージを踏襲した形で、笑いどころもある意味「お約束」ですが、しかし、だからこそ今回も気楽な感じで楽しめる
内容になっていると思います。

ジニョン兄も前回とキャラなども変わらず(当たり前ね)、僧侶のリーダー格を演じてます。なもんで、特筆すべきことは特
にないんですが、でも、個人的には、今回のチョンミョン僧(ジニョン兄のことです)の方が前よりチャーミングな感じがし
てます。

個人的には、ジニョン兄って帽子が似合っていてかわいいだの、寒さに震えて眠っているところがとてもいとおしく感じるだ
の(大の大人に向かってその表現は…(^^;))ありますが、そういう個人的な好み(笑)は、冷静さや公平さに欠けるのでこの
辺でやめておきます(…って、何を今さら言ってるんでしょうか(^^;))

この映画も「黄山原」と同じく、05年のシネマコリア映画祭で上映されました。
シネマコリアの記録を塗り替える大盛況ぶりでございました〜\(^o^)/



チョルスとヨンヒ 철수♡영희(05)<ブルドッグ先生 불독 선생님>
□勉強は出来ないけど、いたずらにかけては全校一の憎めない悪ガキの  チョルス。誰かにいたずらをしては先生に見つかり、上靴を口にくわ  えさせられて罰を受ける毎日。  学校を終えて家に帰ると、そんなチョルスの帰りを喜んでくれるのは  サイバー株式投資に夢中の母と「チョルスのバカ(철수 바보〜♪)」  ばかり繰り返すオウムだけ。  ある日、いつものようにいたずらをして罰を受けたチョルスに一世一  代の事件が発生する。それはヨンヒが転校してきてチョルスの隣の席  になったこと!  聡明でおませだが、どこか悲しみをたたえる様子のヨンヒのことがチ  ョルスは気になってしょうがない。  ヨンヒの悲しみは、亡くなった父母への抑え切れない思慕の念からき  ているのだ。花屋を営む祖母のもとで暮らし、両親との思い出がいっ  ぱいの曲「ドナドナ」を聴かせながら、悩みを聞いてくれる隣のレコ  ード屋のお兄さんをひたすら想うヨンヒ。
そんなヨンヒに、父の忠告通り正直に自分の気持ちを伝えようと色々とやってみるチョルスだが、微妙なお年頃のヨンヒにとって
は、問題児の行動はマイナスにしかならず思い通りになかなかならない。でも、不器用ながらもめげずにヨンヒに接近していくチ
ョルス。
冬がやってきて「ドナドナ」を演奏する学芸会が近づき、音楽好きのヨンヒのためにチョルスは特別なプレゼントを用意するが…。

2005年1月にひっそりと封切られた映画です。…とはいえ、実はこの映画は正式な出演ではありません。この映画の監督がジニョ
ン兄の学校の先輩で、先生役の男性が急遽出演することができなくなったため、後輩であるジニョン兄に依頼がきたという経緯な
のでした。ジニョン兄いわく「義務出演」とのことです。「友情出演」ではないところが上下関係がきっちりしている韓国ならで
はのビミョーな表現でしょうかね〜(^^;)。

さて、そのジニョン兄が演じた役は「ブルドック先生」です。「義務出演」のせいか出番も少ないので、ブルドック先生がどんな
キャラなのかはつかみにくいですね。そもそもなんで「ブルドック先生」ってあだ名(まさか本名だったらびっくりですが(笑))
かもわからないですし。…確かに「ブルドック」みたいな顔してますけどね、この映画でのジニョン兄は(爆)。

ところで、今回のこの映画では出番の少ないジニョン兄ですが、それなのにいつも以上に強烈な印象を残すシーンがあります。
それは……「カブリモノのジニョン兄」なんです。まさに究極のコスプレ状態。いやあ、初めてそのスチール写真を見た時は気が
遠くなってひっくり返りそうでした(笑)。
ここだけピックアップするのは不謹慎と思いながらも、当分は頭から離れそうにありません(^^;)。

映画の話に戻ると、ここでは極端な悪人も善人もいず、始まりから、展開、起こる危機、迎える絶頂まですべて平凡そのもので、
一見なんてことない映画に見えます。でも、観たあとは、忘れていたかもしれない暖かいものを胸に感じる映画です。

この映画は、05年8月に「キンダーフィルムフェスト・きょうと」(第11回 京都国際子ども映画祭)で日本初上映されま
した。台詞は子どもが対象なので吹き替えかと思っていたのですが、なんと弁士という大変珍しい上映スタイルでした。



王の男 왕의 남자(05)<燕山君 연산군>
□朝鮮時代燕山(ヨンサン)朝、男寺党牌(旅芸人)のチャンセン (カム・ウソン)は、有力両班に弄ばれる生活を拒否して、唯一の 友人であり最高の仲間であるコンギル(イ・ジュンギ)と共に、よ り自分の力を試せる場所を求めて漢陽(今のソウル)に上京してく る。 持って生まれた才能とカリスマで、一座のリーダーになったチャン センは、コンギルと共に燕山君(ジニョン兄)と彼の妾チャン・ノ クス(カン・ソンヨン)を風刺する芸を披露して漢陽の名物になる。 公演は大成功をおさめるが、彼らは王を侮辱した罪で義禁府(朝鮮 時代の特別司法官庁)にしょっ引かれる。義禁府で審問に苦しめら れていたチャンセンは、彼特有の度胸で王を笑わせてみせると豪語 するが、実際に王の前で公演を始めると芸人全員が凍りついてしま った。 チャンセンも極度の緊張の中で王を笑わせるため努力するが、王は クスリともしない。 まさにその時、大人しいコンギルが機転を利
かせて特有の鋭い演技を披露すると、王は耐えられなくなって大笑いしてしまう。彼らの公演に満足した王は、宮廷内に芸人
達の住処として喜楽院を用意してやることにした。

宮廷芸人になった役者達は、調子に乗り汚職役人の不正を皮肉る公演を披露して王を楽しませる。だが、重臣達の雰囲気が冷
ややかだと察知した王が、重臣の1人が笑わないという理由で汚職役人ときめつけ刑罰を与えると、宴の席は一気に緊張感が
漂う。
続く宴の席で、芸人達は女人達の陰謀によって王が後宮に毒薬を下す京劇を演じると、燕山君は同じ理由で毒薬を盛られた生
母廃妃ユン氏を思い出して震怒し、その場で先王の女人達を刺殺してしまう。

役者たちが公演するたびに宮が血の海に変わってしまうことに興味を失ったチャンセンは宮を離れることにしたが、コンギル
は何故か宮に残るというのだった。
その間に王に反発した重臣達は、芸人達を追い出すために陰謀を企み、王の感心を自分より芸人に奪われたと思い嫉妬心に包
まれたノクスもまた、陰湿な計略を練るのであった…。

05年12月の年末に公開されたこの映画、予想を遥かにぶっちぎり、観客動員数1200万人を超え、とうとう韓国での映画動員数
歴代1位になってしまいました。
これは恐らく誰も予想しなかったことでしょう。時代劇で、同性愛コードもあり、名だたるスターも出てなくて、予算もかけ
たわけじゃない映画が歴代1位になろうとは。まさに何もかもが既存外の映画であるといえるでしょう。

さて、ジニョン兄は、韓国の歴史上、希代の暴君である燕山君(ヨンサングン)を演じてます。
この燕山君、現在まで、それこそ数え切れないほどTVでも映画でもいろんな俳優たちに演じられている王様です。
それゆえ、有名すぎるほど有名なわけで、それを今更(?)どんな風にジニョン兄が演じてくれるのだろうと、期待と不安で
心待ちにしていたのですが、結果、既存を見事に打ち破ったキャラクターとして命を与えてくれました。

今までの燕山君は、「暴君」という側面ばかりを強調された、いわゆるステレオタイプ的な描かれ方ばかりでした。
しかし、今回の燕山君は、そんな表面的なところではなく、そこに行き着くことになってしまった燕山君の、デリケートな部
分や人間的な部分にスポットを当てているのです。
そしてジニョン兄は、今までとは全く違う演技アプローチで、それらをリアルに描くことに成功しているのです。

年末に観ましたが、字幕なしにも関わらず、あたかも直接その口から語って何を言ったのかが理解できるほど、雄弁な表現力
と演技力でした。
この映画でジニョン兄は、演技者としてまたひとつ上のステージに行ったといえるでしょう。間違いなくこの映画は、ジニョ
ン兄にとって色々な意味で「代表作」と呼べます。
そしてこの映画は同時に、ジニョン兄だけではなく、他の俳優達ももちろんのこと、演出も脚本もすべてがすばらしいことを
ここに記しておきます。

日本での公開は、配給が角川ヘラルドで、今冬のお正月映画の予定です。これほど公開が待たれる映画もないですね。