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「汚いわね、誰か掃除しないのかしら」 掃除もなにもあったんもんじゃないだろう。と彼女は思う。 あの汚いものに対して向ける感情は軽蔑の意思だけだ。 軽蔑。掃除なんて言葉は、あれを良くしようと思う気持ちがある者にだけが口にする言葉だ。 あなたはそんなことちっとも思っちゃいない。ただ同意しても面白くないから、おまけでつけた尾ひれの言葉がそこにあるの。 「あなたって嫌な女ね」 嫌な女だって言っているのは私の方だわ。はぁ、ごめんなさい。あなたを馬鹿にするつもりはなかったの。 そうではなくて、私もあなたも彼を軽蔑しているのね。そう言いたかったのよ。 (2/4)
ペンを握り直す。 どのように聞けばいいのだろう? 私は瞼を閉じ、あの人に問い詰めていく私についてを考えた。 予行練習。幾重にも組まれたif関数が私のダイアログを支配していた。 あああれ、こうあれ、結果はどうあれ、その様子はひどく惨めに感じられた。惨めで、場違いなものに感じた。 私とあの人の間にそのようなやりとりを齎すこと自体が、とてもいけないことになる予感がした。 つめたくて、わざとらしくて、ひねくれたことのようだ。 どんなもので包んだってそのグロテスクな悪臭は隠せなかった。 できることなら、できることなら味わいたくない立場に私はあった。 いくら拭いても手がべたべたする。いくら掻いても体の芯がかゆい。 やらなければいけない。聞くしかない。 間違ったことと間違ったことのどちらかを選択するのなら、間違ったことしか選べないのだ。 イエスかはいで答えるしかないのだ。もう一度ペンを握りなおし、書くべき言葉を探した。 探すフリをしようとする右脳を景気よく左脳が殺した。意識が脊髄から神経を引きずり出し、指先を強く弾圧していた。 精神的弾圧。私は私自身の殉教者だった。ところが、やはり、どうしても、書き出せずにいた。 あの人のシルエットをした切り絵が私の背中を抱いていた。だめだ、できない。 私は頭を抱えるようにして、こめかみは手首の腹で圧迫されていた。 できない。どうしてもできない。 (2/3) ![]() (2/2)
その次の日も、そのまた次の日も、彼女は馬鹿であった。 地上の竹垣で、富士の噴気のような翼を持つ、 天高く燃ゆる鳳凰の話をすれば、霊殿近くの赤熱した岩礁へ縛られた。 次に彼女が空翔る文屋、烏天狗に憧れた日には、 禿げ落ちた背を指され、お前には無理だと笑われた。 禿げ落ちた背。 焦げた根元。 今は白い布で隠されている。 もう座布団は乗せられないね。と彼女は言った。 (2/1) ![]() (1/31) ![]() (1/30) ![]() (1/29) ![]() (1/28) ![]() (1/27) ![]() (1/26) ![]() (1/25) ![]() PROJECT AD様製作のカードゲーム用イラストです@三枚目 (1/24) ![]() PROJECT AD様製作のカードゲーム用イラストです@二枚目 (1/23) ![]() PROJECT AD様製作のカードゲーム用イラストです@一枚目 (1/22) ![]() (1/21) ![]() (1/20) ![]() (1/19) ![]() (1/18) ![]() (1/17) ![]() (1/16) ![]() (1/15) ![]() (1/14) ![]() (1/13) ![]() (1/12) ![]() (1/11) ![]() (1/10) ![]() (1/9) ![]() (1/8) ![]() (1/7) ![]() (1/6) ![]() (1/5) ![]() (1/4) ![]() (1/3) ![]() (1/2) ![]() (1/1) ![]() (12/31) Autumn Leaves様 の所で 吉岡よしこのイラストが使われました ゲームになっているみたいなのでがんばってみてね (書下ろしじゃないけどね!) リンクは以下 モノクロスクリーン 緋色月下、狂咲ノ絶 BAD APPLE!! (12/30) ![]() (12/29) ![]() (12/28) ![]() (12/27) ![]() (12/26)
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