
行政責任論 (同志社大学政策学部) 期末試験解答例
行政責任を意味する英語、@accountabilityとAresponsibilityのそれぞれの意味について述べ、これらをどのようにして確保するのか具体的な方法例をそれぞれ挙げ(B・C)、さらにこれらBとCに見られる問題点を指摘しなさい(D・E)。 10点×6=60点
@アカウンタビリティの意味:「責任をとらせる」外在的責任。客観的な基準を示し強制、それに従わない場合には制裁、処罰。従うように報酬やインセンティヴで誘導する方法もある。7種類のアカウンタビリティ。
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一般的な方法 |
地方自治体 |
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1.Political |
行政責任ではない。選挙。 |
選挙、リコール(解職請求)、レフェレンダム(住民投票)、イニシアチヴ(住民発案)。 |
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2.Constitutional |
衆議院・参議院行政監視。国会の国政調査権。地方分権、権限委譲。 |
市町村合併、道州制。地方議会の百条委員会(地方自治法100条)。 |
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3.Legal |
裁判。行政手続法・行政不服審査法。 |
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4.Administrative accountability |
行政評価・監視。服務監察。総務省行政苦情推進会議。会計検査院。 |
住民監査請求。ローカル・オンブズマン。監査委員会。 |
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5.Professional |
専門職、研究職の能力。Program evaluation。ピア・レビュー。 |
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6.Management |
事業評価。業績指標の達成。業績予算。発生主義会計と連結決算。PPP。市場化テスト。行政評価、業績測定。PFI。 |
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7.Policy |
政策の結果、成果に対する責任。マニフェスト型選挙。政策評価。 |
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Aレスポンシビリティとは「責任をとる」。 内在的責任。自己規律、プロフェッショナリズム、「言われなくてもちゃんとやる」。自己規律、プライド、矜恃、自信、文化、モラール、プロフェッショナリズム。
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responsibility |
accountability |
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フォーマル/インフォーマル |
両者は明確に区別されない |
フォーマルな制度的責任 |
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主観的責任/客観的責任 |
主観的に責任を感じる |
客観的に判断される |
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責任判断者はどこにいるか |
内部(自己) |
外部 |
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責任の対象と確保・統制手段 |
抽象的 |
法令・ルールで具体的に明記 |
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責任の取り方 |
自主的・自律的 |
他律的・強制 |
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制裁の有無 |
無い |
有る |
Baccountability確保の方法は2方向、 a.手続的統制 :制度への責任、会計検査、地方自治法の住民直接参加制度(リコール・イニシアチヴ・レフェレンダム)、総務省行政評価局の「行政評価・監視」、情報公開制度、行政手続法、人事考課(考査)、オンブズマン、コンプライアンスのチェック。業績指標のチェック。 b.実質的内容の統制 :結果志向、内容に関する責任、政策目標の達成。達成した目標の質(フリードリヒ「機能的責任」・技術的科学的標準)。政策評価(プログラム評価)。
Cresponsibility確保の方法、教育と研修、専門家育成、報償(ほめる)。
D「アカウンタビリティのジレンマ」。 (1)アカウンタビリティを確保するために要する手間が本業(土木・教育・医療など)を圧迫。 (2)公平と効率のように、時として相反する価値実現を求められる。 (1) (2)ともに、「結果としてどっちもうまくできない」。
E基本的に本人の自覚、ノブレス・オブリージに頼るので、人間性善説が通用するコミュニティでないと実現されない。
参考文献
山谷清志『政策評価の実践とその課題−アカウンタビリティのジレンマ』、萌書房、2006年。
山谷清志「汚職の防止」、講座行政学6『市民と行政』第3章、有斐閣、1995年。
山谷清志「自治体の政策責任」、自治体学会編『年報自治体学・自治体の政策責任』、1999年。
山谷清志「行政責任論における統制と倫理−学説史的考察として」、『修道法学』、13巻1号、1991年。